医学と公衆衛生分野を革新させたアメリカ先住民の7つの習慣について

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地球上の多くの先住民族は、身の回りに生えていた植物の一部を「薬」として活用してきました。

私が4年以上前にJAMHA(日本メディカルハーブ協会)のハーバルセラピストの資格取得のための勉強をした際、免疫力を高めることで知られる「エキナセア」は、北米の先住民が最も大切にしてきたハーブの一つとして教わりました。

【過去の関連記事:【エキナセア】”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの説明をJAMHAのホームページでじっくりと読み返してみるシリーズ-Part1-】(2020年4月2日)

また、アイヌを含む北方民族は、身の回りのハーブの効能を体験を通じて認識し、医療の位置づけで活用していたことを北海道大学植物園で学びました。

【過去の関連記事:北海道大学植物園訪問レポート【北方民族(アイヌ・ニブフ・ウィルタ)が愛用した植物編】】(2019年7月28日)

自分を含む、ハーブのことを学び続けるひとにとっては、世界中の先住民族の生活様式から学ぶべき知恵がまだまだたくさん眠っていると思います。

今日は、医学と公衆衛生分野を革新させたアメリカ先住民の7つの習慣について取り上げた記事をご紹介します。

医学と公衆衛生分野を革新した、米先住民の7つの習慣

つり橋などの重要なインフラの発明からラクロスのような娯楽のためのスポーツまで──。現代の文化に存在するものには、米大陸の先住民が開拓者に土地を占領される前に作り上げたものを直接の起源とするものが多い。

予防措置から薬品の投与まで、世界の医療エコシステムも例外ではなく、その慣習や革新の多くは昔の人々や治療を行っていた人が始めたものだ。

ここでは、私たちが毎日の医療や公衆衛生分野で活用しているものの中で米先住民を起源とする7つの発明を紹介する。その大半は、今ではなくてはならないものだ。

1. 注射器

1853年に初めて皮下注射器を発明したとされているのはスコットランド人医師のアレクサンダー・ウッドだが、それよりもはるかに早い時期に道具が存在していた。

米大陸の植民地化が行われる前、先住民の人々は中が空洞の鳥の骨を研ぎ、動物のぼうこうにつなげて体内に液体を注入する方法を編み出していたのだ。こうした最も初期の注射器は、薬の注入から傷口の消毒まであらゆることに使用されていた。また、こうした道具が耳の洗浄やかん腸にさえ使われていたケースもある。

2. 鎮痛剤

米先住民の治療師が鎮痛剤の使用を先導した。例えば柳の樹皮は、抗炎症作用のある鎮痛剤として摂取されていたことで広く知られている。

柳の樹皮にはサリシンと呼ばれる化学物質が含まれている。サリシンは抗炎症作用を持つことが確認されていて、摂取すると現代のアスピリン錠の有効成分であるサリチル酸が生成される。摂取可能な多くの鎮痛剤に加え、けがや切り傷、打撲などには局所軟こうも頻繁に使われていた。

これまで十分に裏付けられてきた2つの鎮痛剤には、コショウに由来し現在でも言及されるカプサイシンと、局所鎮痛剤として使われていたシロバナヨウシュチョウセンアサガオ(英語ではジムソンウィードと呼ばれ、学名はDatura stramonium)がある。

3. 経口避妊剤

経口避妊薬は、妊娠を防ぐ手段として1960年代に米国に導入された。しかし米先住民の文化には、似たような目的を持つものがそのはるか昔に存在していた。

ドッグベーン(学名はApocynum cannabinum)やウエスタンストーンシード(学名はLithospermum ruderale)と呼ばれる薬草を摂取するなど植物を使用した避妊の習慣は、望まない妊娠を防ぐ西洋の薬剤が導入される少なくとも2世紀前から存在していた。現代の経口避妊薬ほどの効果はないものの、特にウエスタンストーンシードは避妊性があることが複数の調査で示されている。

4. 日焼け止め

北米の先住民は、2500種類を超える植物に対して医療面での用途を定めている。しかもこれは、現時点で存在している習慣から知られているものだけだ。

先住民の文化の多くは数百年の間、すりつぶした植物を水と混ぜ合わせて皮膚に塗布することで肌を太陽から守っていた。ひまわり油や、ウォールフラワー(学名はErysimum)、アロエの樹液などは全て、肌を太陽から保護するために使用されていたと記録されている。また、動物の脂肪や魚の油を日焼け止めとした例も有名だ。

5. 哺乳瓶

現代の基準では衛生的(あるいは安全)と考えられないだろうが、イロコイ・インディアンのセネカ族などの部族は米大陸に入植者が流入する前から、乳児に食べ物を与えるために活用する瓶を作っていた。

この発明には、熊の内臓と鳥の大きな羽が使用された。熊の腸を洗浄・乾燥させ油を塗布した後、空洞のある羽を乳首として取り付け、すりつぶした木の実と肉、水を混ぜた飲み物を乳児に吸わせて栄養補給していたのだ。

6. 口内洗浄液と口腔衛生

米大陸全土の部族が、歯の洗浄のためにさまざまな植物を使っていた。また米大陸の先住民は、新たにやって来た欧州人よりも効果的な歯の手入れ方法を実践していたと言われている。

一部の地域では、オウレンと呼ばれる植物(英語ではゴールドスレッドと呼ばれ、学名はCoptis)を使って口内を洗浄するための洗浄液を作っていたことが知られていた。多くの先住民文化では、オウレンを歯茎に直接こすりつけて、歯生期の乳児や歯の感染症の痛み止めとして使用していた。

7. 座薬

痔(じ)は現代だけの問題ではない。痔に伴う痛みや不快感も同じだ。しかし、現代の解決策と食生活の改善が唱えられる前に、米大陸全土の先住民はハナミズキの木から座薬を作り出していた。ハナミズキは現在でも(頻繁にではないものの)外傷に使われている。しかし米先住民は数百年前に、ハナミズキから作った小さな詰め物を湿らせて押し固め、挿入することで痔の治療を行っていた。

私たちは、安全や健康を維持する上で公衆衛生や医療がどのような役割を果たしているかを考えずに毎日を送りがちだが、今の生活を実現してくれた素晴らしい革新や発明を認識せず、こうしたものを当たり前と考えてしまうことはさらにありがちなことだ。

こうした昔からの習慣の衛生面を向上し、改善を重ねて現代の慣習へと完成させたものもあれば、祖先のしていたこととそれほど変わらないものもある。米先住民の治療師らは、病気の効果的な治療法や、物質を作り出すための土地と資源の活用方法を理解していたのだ。

技術により進化が進み、未来へと歩みを進める中、私たちは今でも歴史に根差しているのだということを忘れないようにしよう。

※Forbes Japanの2020年1月8日の記事(https://forbesjapan.com/articles/detail/39050)より抜粋

現代社会を深く理解する上で、歴史を学ぶことの重要性を改めて感じる記事です。

確かに医学と公衆衛生分野において、北米先住民族たちの知恵が生かされています。この記事を見て、世界中の様々な先住民族の生活様式を知っていく必要性を感じてきました。

 

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