私自身、今から5年以上前に、マンションから一戸建て住居へ引っ越したのを機に庭を持ったのをきっかけとして、ハーブの栽培の魅力に目覚め、今はキッチン用ハーブから観賞用のハーブまで幅広く育てています。
育てている中で、3年前くらいからずっと気になっていたことがありました。
それは、自宅で育てているオレガノの香りが、ドライにしても非常に薄く、市販品のドライのオレガノに比べ、香りの豊かさにおいては大きく劣っているということです。
私の嗅覚の問題なのかなとも思っていたのですが、それにしても市販品(ドライ)のものと比べて香りが薄いことは明らかでした。
なので、自宅のハーブガーデンでオレガノを育ててはいるものの、それをドライにして料理に活用するということが2年前くらいから無くなっていました。
「自宅のオレガノの香りが薄いこと」については、ずっと潜在的にモヤモヤしていたのですが、先日ご紹介した北村光世さんの書籍の中にあったオレガノに関する情報に触れたことによって、一筋の光が見えてきました。
【先日の記事:ハーブを日本の食文化に根付かせた第一人者の北村光世さんの最新著書「おいしいハーブ暮らし12か月」が面白いです。】(2020年8月9日)
この本の中の以下の記述です。
私は庭でオレガノも育てていますが、シチリア産のドライオレガノと比べると香りが物足りません。5年前、シチリアを訪ねたとき、野生だと思っていたオレガノが実は栽培種だったことに驚きました。シチリアでは質のよい苗を選んで野生風に育てているとのこと。強い陽光を浴び、すでに半乾きになったオレガノを見て、日本の青々としたオレガノが目に浮かび、納得しました。シチリアのオレガノは収穫前から乾燥が始まるので、余計に香りが強くなるのです。
この内容から一部わかることは、シチリア産の香りのいいオレガノと比較して、日本で一般的に売られているオレガノは苗の遺伝子レベルでの違い、および、土壌、気候、育て方における違いが大きい可能性があるということです。
苗のクオリティーがシチリア産と同等のオレガノを日本で育てても他の要因(土壌、気候、育て方)によって香りが劣ってしまう可能性もありますし、苗のクオリティーが異なっても、土壌、気候、育て方をシチリアと近い環境を構築することによって香りを高められる可能性もあると思います。
ただ、ひとつ言えることは、日本の市場でオレガノの苗を購入し、日本の気候風土で栽培したとしても、シチリア産のドライオレガノの香りに近づけることは障壁は高そうだということです。
そのあたりはオレガノ栽培の専門家に話を聞いてみたいですが、確定的な情報を得るまで、自宅の庭でキッチン用としてのオレガノ栽培を一旦やめることにしました。(=(シチリア産を中心とした)市販品のドライオレガノを活用することにしました。)
先日の記事で、ミント類の栽培についての方向性についても書きましたが、「日々の生活の中で活用しやすい品種のハーブの栽培比率を増やす」ことの重要性を感じてきています。
【先日の記事:自宅の庭で様々なミント類を育ててきて感じていること】(2020年7月23日)
ミント類については、来年以降、ペパーミント・スペアミントを2つの軸として多めに栽培し、その他、モヒート用としてキューバミント(イエルバブエナ)、デザート用にアップルミントというようにスポットで鉢植えする方針を固めました。
ちょっと言い方は古いですが、ハーブの”断捨離”をするタイミングに差し掛かっているということだと思います。