中国における「漢方製剤」市場の実態。日本の漢方製剤が世界市場のシェア8割占めるというのも驚きです。

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自分自身が、”メディカルハーブ”という切り口からハーブのことについて学び始めた経緯があるため、現時点において西洋ハーブ中心の知識体系になっていると自覚しています。

そして昨年、アーユルヴェーダの基礎を学んだことをきっかけとして、中東からインド周辺にかけてのハーブ・スパイスことについて興味が高まってきており、日々学びを深めています。

さらに今年になってから、ハーブがきっかけで知り合った方が、阿蘇薬草園の本の復活プロジェクトを始めていることにより、徐々に日本の薬草のことについても学びを深めていきたいと思っているところです。

ある人から見ると、それって摘まみ食い的に見えて中途半端な形で終わってしまうと思われるかもしれませんが、どれも同じ植物という観点に立ち返った場合、人間が作り上げた医学的な知識体系に囚われたくないという個人的な考えがあります。

一領域の知識体系を深めている人がこの世の中にはたくさんいることがわかっているので、自分の特質を生かす意味でも、様々な知識体系を融合させていくことが自分自身のテーマになっていきそうな感覚を得ています。

非常に壮大なテーマへと広がりを持っていきそうで、今世の残りの人生の中でどこまでできるのか全く分からないのですが、とにかく今のこのスタイルが自分自身一番楽しいので、引き続き日本中、世界中に様々なアンテナを張っていきたいと思っています。

今後、漢方の世界のことについても徐々に学びを深めていきたいと思っているのですが、現在の漢方の市場を俯瞰できる興味深いニュースがありましたのでご紹介いたします。

中国で「漢方薬」の逆輸入が人気、そのワケは?―中国メディア

中国の海外通販利用者は今、ぜいたく品や化粧品を海外から取り寄せているだけでなく、中国から輸入した原料を使って製造した海外の「漢方製剤」も逆輸入している。資料写真。

中国の海外通販利用者は今、ぜいたく品や化粧品を海外から取り寄せているだけでなく、中国から輸入した原料を使って製造した海外の「漢方製剤」も逆輸入している。山西晩報が伝えた。

■日本の漢方薬が世界市場のシェア8割占める

10年以上観光旅行のガイドを務めている余琳(ユー・リン)さんは、ここ数年、ぜいたく品や化粧品だけでなく、韓国の牛黄清心液や日本の救心などの海外の漢方薬を、親せきや友人に頼まれて買って帰ることが多くなったという。

小林製薬は最近、複数の製品が昨年、中国人観光客から高い人気を集め、第2四半期(4-6月)と第3四半期(7-9月)の売上高が前年同期比で5-6倍に達したと明らかにした。それに伴い、日本の「漢方製剤」メーカー数社も利益を大幅に伸ばした。

ある資料によると、中国の中医薬(漢方薬)市場において、海外製の漢方薬がシェアのかなりの割合を占めている。また、中国を除いた世界の漢方薬市場において、日本がシェアの80%を占めているのに対して、中国はわずか5%にとどまっている。中国第三軍医大学新橋医病院の中医薬の専門家・趙朝廷(ジャオ・チャオティン)氏は、「中国人観光客が爆買いしている『漢方製剤』は、海外の企業が中国から基準をクリアした原料を輸入して、加工し生産した『中成薬』。それが外国語の書かれた箱に入れると『海外製漢方薬』になる。中国の伝統文化の宝である中医薬に、このような現象が起きていることを、よく考えなければならない」と指摘する。

■品質基準が最大の売り

専門家は、このような現象は、中国の中医薬の品質をめぐる基準が十分整備されていないほか、特許や技術研究開発などの面でも出遅れていることを反映していると指摘する。例えば、華森制薬集団の游洪涛(ヨウ・ホンタオ)董事長は、「中医薬はもともと野生の原料が使われていたが、今は大規模に栽培され、栽培している農民もたくさんいる。しかし、どんな薬草が基準をクリアしているかを定める基準は今も定められていない」と指摘する。

そして、「『海外製漢方薬』の最大のメリットは、高い品質基準が定められていることだ。一方、中国の中成薬は輸出される時、欧米諸国に『不合格』と言われることがよくある。昨年以降、海外で多くの中成薬から基準値を超えた重金属が検出された」という。

また、中国の中医薬企業は特許という面でもかなりの損失を出している。太極集団の白礼西(バイ・リーシー)董事局主席は、「アルテミシニンを発見した屠●●氏(●は口へんに幼)はノーベル賞を受賞した。でも、アルテミシニンの核心技術の特許はとっくにスイスの企業が取得しており、中国の関連の商品の市場開拓に多大な影響を及ぼしている」と指摘する。

■技術研究開発を最重要視

海外の医薬学者やメーカーは、薬用植物から新薬の手がかりを探すことに力を入れており、技術研究開発を最重要視している。例えば、イチョウの葉は、500グラム当たり数元(数十円)で取引されているが、ドイツはそれを使って血圧や血液中の脂質を下げる新薬を研究開発し、それが数百元(数千円)で売られている。

游董事長は、「伝統的な中医薬・養生では、『本場』で生産された原料を使うことが大切とされる。そのような原料が高品質の中医薬の第一条件だ。中医薬の品質基準体系を構築しなければならない。例えば、1平方メートル当たりどれぐらい植えるのか、水や農薬、肥料をどれぐらい使えば良いのかなど、中医薬の原料の栽培をめぐる各パートの詳細な規定を制定しなければならない。また、関連の法律・法規を整備し、関連当局は違法農薬の使用などに対する罰則を定め、実行しなければならない」と指摘する。

昨年、中国の関連当局、委員会は中医薬サービス貿易重点プロジェクトをスタートさせ、中医薬サービス貿易の発展スタイルを模索している。業界関係者は、「国は具体的な政策を打ち出して製薬会社が研究開発へと資金投入を強化し、特許に対する意識を高め、商品のテクノロジーのウェイトを向上させるよう導かなければならない」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

※Record China(レコードチャイナ)の2019年3月2日の記事(https://www.recordchina.co.jp/b691323-s10-c30-d0046.html)より抜粋

私は以前、グローバルなメーカーの会社で勤務していたのですが、確かに中国企業の品質に対する意識は相対的に低いと感じていたのですが、中国発祥の中医学に使われる漢方薬に対する品質に対する意識においても現時点において低いということが言える内容の記事だと思います。

この記事は、元々中国メディアが報じたものを日本語化しているので、信ぴょう性も高いです。

それにしても日本の小林製薬の売り上げが昨年に比べ5倍くらい跳ね上がっているというのは非常に驚きました。中国人の消費者の品質に対する意識が上がっているけれども、中国企業がそれに追随できていないということも、日本製に注目が集まっている要素だと思います。

中国企業もこれから本腰を入れて開発・品質強化を図ってくると思いますので、漢方製薬の市場も目が離せません。

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