テーブルオリーブ(食用オリーブ)というと、私の中で「イタリアで販売されているものを、日本の販売代理店がそのまま日本へ輸入して、販売している」というイメージです。
パッケージを見るだけで、濃い塩分が伝わってきて普段は正直活用する場面はなく、お客さんが家に来るときにお酒のつまみとしてたまに買う程度です。
そういうイメージを持っていたこともあり、先日、「テーブルオリーブ専用工場が稼働5周年を発表! 5年で約10倍の販売額を記録し、市場もさらに拡大へ」というニュースが流れてきて、冒頭で以下の内容を見たときに2つの違和感を感じました。
株式会社シェリーズ(所在地:神奈川県厚木市、代表:大村 雅彦)の運営するテーブルオリーブ(※)専用工場は、2017年8月に製造開始5周年を迎えます。2012年にテーブルオリーブの国内製造を開始し、神奈川県厚木市に設けた二カ所の工場から全国のスーパーマーケット向けに製品を出荷してきた当工場の2016年の販売額は2012年に比べ約10倍に伸びました。2017年度はすでに2016年度の販売額より約5%増加しており、需要の拡大に伴い、今年市内に設置した三カ所目となる新工場を本格稼働させ、広範な製品を供給する体制づくりを急いでいます。
テーブルオリーブ専用工場が日本にある? ただ輸入しているだけじゃないの?
というのと、
本当にそんなに売れているの?
という2点です。
でも記事を読んでみると、テーブルオリーブの日本市場が過去5年で変化をしてきていることが分かりました。
この記事で取り上げられている株式会社シェリーズは、日本で初の取り組みとして、「イタリアやギリシャで塩蔵された未殺菌の一次原料を直接輸入」し、国内で最終製品に仕上げることにより、品質向上と製品多様化の実現にすでに着手しているようです。
■国内初の取り組み
原料となるオリーブは、プラスティック製のドラム缶に入った状態で海上輸送されます。イタリアやギリシャで塩蔵された未殺菌の一次原料ですが、冷蔵コンテナで輸送されるので収穫直後の状態を保存していて、果肉は固く絞まり、色も鮮やかです。新工場では、この一次原料を脱塩した後に包装し、殺菌工程を加えて出荷します。
海外から最終製品を輸入するのではなく、一次原料を輸入して国内で最終製品に仕上げることにより、品質が向上するとともに、多様な製品を国内製造できるメリットが生まれます。原料を自社で調整することで、日本人の好みにあった味に仕上げることができるようになりました。このように、樽入りの一次原料を輸入してテーブルオリーブを製造するのは国内初の試みです。
確かにこのようにすることで、日本でしっかりと塩抜きができますし、そのうえで日本人の好む味付けを施していけば売り上げが上がっていくことは想像できます。
さらに、以下の記事の「消費(=売り上げ)拡大要因」についての内容を見て、なるほどと思いました。
■消費拡大の主役は「冷蔵オリーブ」
テーブルオリーブはビタミンEが豊富で、多種のポリフェノールを含むなど健康イメージが高い半面、塩分が敬遠されることもあります。シェリーズで製造しているのは塩分濃度2.5%と薄味で、「冷蔵オリーブ」と称されるカテゴリーのものです。収穫後、脱渋プロセスから流通まで、一貫して冷蔵保存が必要になりますが、素材の味を楽しむ日本人の嗜好に合ったオリーブです。常温で流通している缶詰や瓶詰めのオリーブしか食べたことのない人は冷蔵オリーブの味の違いに驚き、圧倒的な支持を得て消費が拡大してきました。
ヨーロッパに比べ「保存」という文化が馴染んでいない日本の中で、常温でたくさん瓶詰めされている最終製品輸入品を購入するのは確かにためらってしまいます。
しかしながら、賞味期限が短めに設定されていて冷蔵が必要というスタイルであれば、恐らくほとんどが小さめに袋詰めされているものだと思います。
そのような感じであれば、日本の主婦が手軽に、「今日のお酒のおつまみで主人に買っていこうかしら?」と思えるはずです。
確かに株式会社シェリーズの商品一覧を確認してみると、10粒~20粒くらいを袋詰めしているものが多いです。
日本人の私から見て、日本人の嗜好に合っている製品だと思います。
「注文・問い合わせ」のところを見てみると、以下の記述があり、全国どこへでもクール宅急便で送ってくれるようです。
ご家族の特別な日の食卓を飾る一品に。
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今後、カルディやその他スーパーマーケットへ行った際は、テーブルオリーブに注目し自分なりに状況を感じ取ってきたいと思います。