今年になってから、『香りの提案』をビジネスとして本格的に扱っている会社の存在に徐々に気付きはじめました。
【参考記事:ホテルに香りを提案する専門会社『ゴタス(Gotas)』とは】
【参考記事:業務用アロマディフューザーのレンタル事業を行なうCSEとはどんな会社なのか】
一昔前まで、そのような業態が専業で成り立つと考えていた人がどれほどいたのだろうか?と思います。
個人的にはこの領域の今後の成長がとても楽しみなのですが、ここ最近、新たな視点を持った会社の存在を知りましたのでご紹介します。
「香り」と「テクノロジー」の力で新しいライフスタイルを。コードミー代表 太田 賢司インタビュー
「香りの力」で活力溢れる社会を目指す
(2018/04/05更新)
ふと香った「香り」で、なぜか「懐かしい」と感じたことはありませんか?実は、ヒトの五感の中でも「香り」を感じ取る嗅覚は、視覚的な記憶に比べて、忘れにくい特別なものだと言われています。
そんな「香り」に「テクノロジー」の力を組み合わせて、事業を展開しているのが、株式会社コードミー。ユーザーに合わせた3種類のアロマを届ける定期購買サービス「コードミー」を始め、あらゆる企業の要望に応えて、香りマーケティングを行っているスタートアップです。今回は、株式会社コードミーの代表取締役社長 太田 賢司氏に、起業に至ったきっかけや事業を進める上で大切にしている信念についてお話しを伺いました。
香りの力で世界を変えたい
―まずはコードミーの事業概要について教えてください。
太田:私たちは「新しい香り社会を描く」ことをミッションに掲げ、「香り」と「テクノロジー」の力で、新しいライフスタイルを提案するスタートアップです。そのために、大きく分けて2つのサービスを展開しています。一つ目は、IT型のパーソナライズアロマを提供するサービス「コードミー」です。
「コードミー」は、朝、昼、夜といった、シーン別にユーザーに合わせたアロマ3種類をお届けする定期購買サービスです。忙しい毎日を送る皆さん1人ひとりに寄り添うアロマをお届けし、最適な香りのある暮らしで明日への活力を提供します。「コードミー」の流れですが、ユーザーはまず、WEBで香りの診断を行うことで、自分のアロマプロフィールを作成します。好みの香りの種類や、色のイメージ、期待するエモーションなどを回答することで、その人に最適化されたオススメの調合アロマ3種類が自宅に送られてきます。そして、ユーザーが会員専用ページに感じた印象などの感想を送ることで、翌月には更に改良された香りが送られてきます。香りの開発サイドとユーザーが双方向で香りを育てる過程、自身の理想の香りに近づく楽しさが魅力的なサービスです。
そして二つ目は、他業界の企業様へ向けたデータに基づく香りのマーケティング支援です。
最近、ホテルやアパレル業界を中心に、香りで空間を演出する「香りマーケティング」の需要が大きくなってきています。私たちは、性別、年代といったユーザー属性ごとに今どんな香りが求められているのか、どんな香りを嗅ぐとどのようなエモーションを想起するのかといった、香りのビックデータをコードミーの事業で蓄積、分析しています。これにより、事業で香りを導入したい企業様へ向けて、ターゲットに向けた適切な香りの導入を支援することができます。スペシャリストの感性や経験値に加えて、データ重視のIT型の新しい香りマーケティング支援。これにより、企業様のブランディング、マーケティングを香りの面からサポートさせていただきます。
―このサービスを始めようと思ったきっかけはどのようなものでしたか?
太田:私は、世界トップレベルの香料会社で10年ほどフレグランスの開発を行い、そのスキルを活かしてコードミーを起業しました。テクノロジーの進化が著しい現代において、香りとITの力でもっと幸せなワクワクするライフスタイルを創ることができる可能性を感じていました。そして、世の中のあらゆる業界で※パーソナライズの流行が広まっていますが、香りのパーソナライズに関するサービスは限られていました。香料業界で経験を積んだ強みを生かしながら、それを実現しようという思いに至りました。
熱狂的なスタートアップの世界に入って、「香りの力で世界を変えたい」と思ったのは、これがきっかけです。目まぐるしいスピードで変化している今の時代だからこそ、香りの世界にも大きなチャンスが到来している。そう感じざるを得ませんでした。
※パーソナライズ:顧客やユーザー一人ひとりの属性や行動履歴に基づいて最適化されたサービスを提供する手法のこと。
※創業手帳Web(2018年4月5日版)より一部抜粋
【上記記事の全文はこちら⇒「香り」と「テクノロジー」の力で新しいライフスタイルを。コードミー代表 太田 賢司インタビュー】
調香したもらった香りに対して感想を送ると、その翌月から改良された香りが送られてくるというのは凄いですね。
余計なお節介ですが、今後さらにお客さんが増えていった時に、キャパ的にどのように対応していくのかが気になります。
ただ、受け付ける回答フォーマットに工夫を施すことで負荷を抑えることができるはずなので、「この回答にはこの香り」というような形でシステマティックにしているのではないかと思いますが、、実際にお話は聞いてみたいですね。
「香り」というと女性がメイン(今もまだそうだと思います)で動いているイメージがありますが、ここ最近は、コードミーの太田さんのように『香りの力で世界を変えたい』というビジョンを持って動いている男性が徐々に現れてきていて、その流れは、男性の私としては嬉しいです。
『香り』というのは、人間が生きていく中で本質的な働きかけをしてくるものなので、女性だけのものでも男性だけのものでもないですよね。
恐らくですが、人間的な感覚に優れた人というのが女性に多いため、香りに反応する女性を見た”感覚の鈍い”男性が、『男性が、”香り”にこだわるのはバカバカしい』と考える人が増え、そのような観念が過去蔓延していたのでは? と感じます。
「香りを提案する会社」の動きは、今後どんどん加速していきそうなので、ウォッチしていきたいと思います。