先日、カナダの友人がニューヨーク出張に行った際、CHELSEA MARKET(チェルシーマーケット)というスーパーマーケットへ行った時に、「こんなハーブティーが売っていたよ!」とメッセンジャーで写真を送ってくれました。
なんだかこの棚の陳列が非常にお洒落。且つ、今まで、KUSMI TEA(クスミティー)という名前自体を聞いたことがありません。
友人曰く、「このハーブティーブランドは、ロシアで生まれてパリでNo1のプレミアムブランドらしいよ!しかも日本でも売ってるみたい。」とのこと。
ロシア発祥のハーブティーブランドというのは今まで耳にする機会がほとんどありませんでした。
ネット上で、”クスミティー”で検索してみると、確かに、【2017年春に日本に本格上陸した】という記事があります。
さて、KUSMI TEA(クスミティー)はどんな歴史を持ち、どんな特徴を持っているのでしょうか。
まずは歴史から見てみたいと思います。
※以下、KUSIMI TEAのホームページより抜粋。
1867年
パヴェル・ミハイロビッチ・クスミチョフがサンクトペテルブルクに開業
農家の長男として生まれたパヴェル・ミハイロビッチ・クスミチョフはお茶商人として働くために14歳で生まれ故郷をあとにし、サンクトペテルブルクに向かいました。その少年の才能にすぐに気づいた主人は、彼にお茶のブレンドレシピを教え、1867年には結婚祝いとして小さなお店を贈ったのでした。1880年
ロシア皇帝に愛されるお茶
パヴェルのセンスと努力によりお店は大成功し、彼のお茶はロシア皇帝たちにも愛されるようになります。妻のアレクサンドラとの間には6人の子供たちがいましたが、1878年に生まれた長男のヴィアチェスラフは後にメゾン(商店)を継ぎ、1880年に生まれた娘エリザベスは、当時の皇帝の最もお気に入りのお茶となるブーケ オブ フラワー No.108の誕生のきっかけとなりました。1907年
ロシアのティーメゾンはサンクトペテルブルクから欧州の中心へ
1907年、パヴェルは長男ヴィアチェスラフをロンドンに送り出しました。やがて彼はお茶のスペシャリストとして、また優秀なビジネスマンとして名を馳せ、クイーン・ヴィクトリア・ストリート11番地に英国で最初のお店、P.M.クスミチョフ&サンズをオープンさせるのです。1917年
クスミチョフ家の拠点をパリのニエル大通りへ
ロシア革命の混乱から逃れるため、クスミチョフ家はワークショップを兼ね備えたアトリエをパリのニエル大通りに移し、クスミティーというメゾンがここに誕生します。1927年
世界各都市へ
ふたつの世界大戦の間の数年間でメゾンは大きく発展し、ニューヨークやハンブルグ、コンスタンティノープルにオフィスを構えます。特にヴィアチェスラフが重要視したのは、多くのロシア人が集まるベルリンでした。1946年
父ヴィアチェスラフから息子コンスタンタンへ
1946年、終戦後まもなくしてヴィアチェスラフが亡くなり、息子のコンスタンタンにメゾンが託されました。彼はお茶のアーティストとして評価され、数々の賞を受けましたが、第二次世界大戦の混乱から厳しい時代を生き抜くことになります。1927年
ファミリービジネスは続く
厳しい経営状態にありながらも、クスミチョフ社はあらゆる資産を投じてクスミのお茶を商品化し続けます。2003年~2015年
クスミティーの再興
2003年:シルヴァン・オレビとクロード・オレビがメゾンを引き継ぐ
2007年:デトックスやBB デトックス、スウィート ラヴなど、後にクスミティーの象徴となるウェルネスブレンドを発売
2012年:世界で最も美しいシャンゼリゼ大通りにクスミティーの旗艦店をオープン
2014年:KUSMI TEA La Beauté des Mélangesの広告が話題となり、クスミティーの名が世に広く知れ渡る
2015年:初のブティックデジタル(無人販売機)KusmiKioskがパリに登場2017年
150周年を迎えた今日
クスミティーは常に大胆な姿勢にあり、ロシア皇帝たちに愛飲されていた時代のように光り輝いています。10年余りのうちに35カ国に85店舗をオープンさせ、ル・アーヴルで作られた100種類以上のお茶を提案し、世界で600人以上の雇用を生み出しています。
クスミティーの勢いは留まるところを知りません。
フランス語を直訳に近い感じで変換しているとみられる箇所もあり、多少大げさな日本語表現もありますが、誕生から現在までの流れはわかりやすく書いていると思います。
1800年代に考案されたお茶のレシピが代々受け継がれて、ロシア皇帝に愛され、且つ、フランス・パリでも人気が出て世界に展開しているというのは個人的に魅力を感じている部分です。
「ロシア皇帝に愛されたお茶の味というのはどんな味だったのか?」
すごく興味があります。
あと、上記年表1867年の「その少年の才能にすぐに気づいた主人は、彼にお茶のブレンドレシピを教え、、、」という部分を見ると、ケンタッキーフライドチキンの”秘伝のスパイスレシピ”ような感じで、誰にもまねできない秘伝のお茶レシピを持っているということかもしれません。
まだ、クスミティーを飲んでいませんし、その詳細な情報はまだ捉えていないため、そのことは断言はできません。
次に、どんな商品のラインナップがあるのか見てみたいと思います。ざっと見た感じ、友人が言う通り、かなり高級なブランドという印象です。
商品の構成としては、
紅茶
アイスティー
フレーバーティー
ウェルネスティー
アソートメント
ギフト
と7つのカテゴリーに分かれています。
まず、グリーンティーのカテゴリーは、「グリーンティー」+「プラス1要素(A)」のコンセプトで、11種類のラインナップがあります。
定番のモロッコティーのブレントである「グリーンティー」+「ミント系(A)」を中心にして、Aの部分に、ジャスミン、アーモンド、ローズ、ジンジャーレモンが入ったものなどがあり、どんな味なのかが非常に気になります。
ただ、お値段もそれなりなので、少しずつ試す形になると思います。
次に、紅茶のカテゴリーは、商品の名称だけではブレンドの内容がわからない固有名詞が付いているものが多いです。(18種類)
スウィートラブ、アナスタシア、キャラバン、プリンス・ウラディミルとか、、。
ただ、クスミティーの伝統的、且つ、多彩なブレンド内容を楽しめそうなラインナップになっています。グリーンティーのシリーズよりも個人的には魅力を感じます。
続いて、アイスティーのカテゴリー。
こちらは8種類あるのですが、「フルーツをブレンド」して楽しめるようにしているようです。面白いです! 暖かくなってきたら飲みたくなるものばかり。
フレーバーティーのカテゴリーは、既出のグリーンティーと紅茶のカテゴリーからフレーバー系のものを9種類ピックアップしただけでした。
お茶系最後のウェルネスティーのカテゴリーを見てみます。
こちらは14種類あり、デトックス系と活力系を中心にしたブレンドで価格についても他のカテゴリーより高く設定されています。クスミティーとしても最も力を入れているカテゴリーのように見受けられます。
残りのアソートメントとギフトのカテゴリーは、名前の通り、既出の商品を組み合わせて新しいコンセプトを作って販売していたり、ティーポッドやマグ、バッグなども販売されています。
どのブレンドも初めて見るものばかりで、且つ、どれも非常にこだわりを感じます。追って体験レポートをしたいと思います。
【おまけ】
カナダの友人は、このKUSMI TEAの情報にプラスして、他の写真も送ってくれました。
これは、冒頭のチェルシーマーケット内のManhattan Fruit Marketにあるハーブのスタンド。小さなスーパーらしいのですが、こんな風景を見られるのはうらやましいです。
こちらは、Eataly World Trade Center というところにある、エクストラバージンオリーブオイルの棚です。たぶんほとんどのブランドを見たことがないと思います。
本当にハーブの世界は広いです。
私は、来月4月に仕事でタイへ行くことになったので、タイのハーブ・スパイス事情を少しでも情報収集しようと思っており、今から事前情報を入手しなくてはと思っているところです。