京都の話題というと、昨年末に取り上げた、創業320年の和漢薬販売店「平井常榮堂(じょうえいどう)薬房」の跡継ぎストーリーが記憶に新しいです。
【過去記事:創業320年の和漢薬販売店「平井常榮堂(じょうえいどう)薬房」の跡継ぎストーリー】(2021年12月12日)
跡継ぎがいないため廃業予定だったところ、40代の薬剤師の女性が店主として後を継ぐことになったという話なのですが、和漢薬の認知を若い世代に広める上でも価値のある内容だと思いました。
今日は京都の魅力的なレストランについて取り上げたいと思います。
“京都キュイジーヌ”の名店1 花やハーブの芳香が鮮やかに 感覚を刺激する「Synager」
京都に行ったらまず和食、という人は多い。けれど、フレンチもイタリアンも、京都ならではの食への哲学や文化的背景、豊かで個性的な食材を使える環境のもとで独自の進化を遂げている。世界に誇る料理を、この地で。
京都で是非訪れてもらいたい、おすすめのレストランを3回に渡りご紹介。
一杯のローズウォーターから始まる花と香りの晩餐
◆Synager(シナジェ)
店名の「シナジェ」とは、シナジー、つまり相乗効果からの造語。味、見た目はもちろん、香りを含む五感をフル活用して料理や空間をますます深く感じてほしいと北岸寿規シェフがつけた名前だ。
“菜園”をテーマにした野菜が主役の一皿。土のように見えるのはブラックオリーブの燻製パウダーだ。京都・木津川から仕入れる野菜をそれぞれ焼いて甘みを引き出す。
コースはグラス一杯のバラの芳香水から始まる。シェフ自らが蒸留器で花びらから抽出した香りの水は、気持ちを華やがせ、五感を研ぎ澄ます。
シグネチャーはその名も“花のタルティーヌ”。食用の花びらや生ハム、ハーブなどをライ麦パンにのせ、ローズウォーターのドレッシングで。
スターターのあとに登場するシグネチャーの“花のタルティーヌ”でも、素朴なライ麦パンにのったたっぷりの生ハムがたくさんの花とみずみずしいハーブに覆われていて、自然が生み出した様々な味と香りに心が緩む。
鱗を立てて焼いた甘鯛に、手打ちのラビオリを添えて。ソースはブイヤベースとムール貝出汁の泡。
また、北岸シェフはベルクールグループでクラシックなフレンチを学び、しっかりとしたソース使いを、一方イタリアン「リストランテ ナカモト」でダイレクトに野菜の味を伝える調理法を身につけた。
北岸寿規シェフ。フレンチ「ベルクール」、イタリアン「リストランテ ナカモト」などで修業を積んだ。
だからこそ、ハーブや花、主に京都・木津川から届く野菜の力強い味や個性に存在感をもたせることができるのだろう。
食後は「京都西陣 たま茶」のハーブティーをセレクト。説明書きを見ながら小菓子とともに楽しめる。
居酒屋で働いた経験もあるが、多ジャンルの料理をただ混ぜるのではなく、主役となる素材を引き立てるために技法や器具を選んで使う。
“ベリーな気分”というお茶。料理はすべて11,000円または16,500円コースの一例。花の蒸留水からスタートし、10品ほどで構成。
そして、それが北岸シェフにとって、とても楽しそうなのも嬉しい。
ゆったりとした空間の店内。
Synager(シナジェ)
所在地 京都市中京区壺屋町512-2
電話番号 075-600-9182
営業時間 12:00~15:00、18:00~22:00
定休日 月曜(祝日の場合は営業)
http://synager-kyoto.jp/
※要予約Photographs=Atsushi Hashimoto
※CREA Travellerの2022年4月15日の記事(https://crea.bunshun.jp/articles/-/35874)より抜粋
一つ一つの写真を見ているだけでテンションがピークに達します。
自分の中ですでに、京都へ行くときに絶対に外せないお店になりました。
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