「地元・身近なところにある薬草を生活に役立てましょう」という動きについて

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今年の7月にハーブ王子(山下智道さん)のことを取り上げて以来、彼の動きはウォッチしているのですが、ここ3か月以内のメディアへの露出度合いが急速に高まっているように感じます。

私自身、ハーブ王子のテーマの一つとなっている「身の回りに自生している実(じつ)は薬効成分のある草に気づいて、それを生活の中に取り入れていきましょう」というコンセプトは素晴らしいと思っていますし、この動きの広がりは、人びとの精神状態にいい効果をもたらすきっかけになると思っています。

でも、ハーブ王子から「この薬草は、こういう効果があるんですよ」という説明を受け、それをそのまま鵜呑みにしてハーブティーにして飲み続けるだけでは、感覚は養われていかないと思います。

ハーブ王子から教わったことを起点として、例えば、同じ効果があると言われた3種の薬草をそれぞれハーブティーにして、相対的に違いを検証してみたりする中で、「●●効果」の本質に近づいていけると思います。

彼の活動が脇道に逸れることなく、一本の強い軸を持って活動をしていただければ、よりプラスの活動になっていくと思います。

そして、最近、「身近に自生している薬草研究」というキーワードに関連する人で、大滝百合子さんという方を知りました。沖縄・与那原町在住の薬草研究家です。

かなり以前から、自然療法に関わる書籍は出版されているようなのですが、今年、身近な薬草を使った化粧品のレシピ本を出版され、そのことが、大滝さんのプロフィールを交えて紹介されていました。

道ばたなどに自生する身近な薬草やスーパーで手に入る食材を使ったコスメの作り方を紹介した「野の薬草、食べ物を使った 手作り化粧品レシピブック」(写真、ボーダーインク)を与那原町在住の薬草研究家、大滝百合子さん(47)が出版した。「簡単、安い、効果抜群」という自然コスメの魅力や作り方を聞いた。(学芸部・高崎園子)

大滝さんが薬草に興味を持ったのは20年以上前、国内の大学を卒業し、社会学を学ぶために留学した米国で。

肌が弱く、どんな化粧品を使っても乾燥して皮がむけた。さまざまな化粧品を試して唯一効いたのが、化学物質を一切使わない、100%自然の材料を使ったものだった。

そこから薬草について勉強を始めた。夫の仕事で12年前から沖縄に住む。地元の薬草について文献などを含め研究した。

著書ではヨモギ、オオバコ、オニタビラコ、カタバミ、グンバイヒルガオ、シマグワなど県内の道路脇や野山、公園などに自然に生える草や木の薬効、薬草を使ったローションや乳液などの基礎化粧品、シャンプー、リンスの作り方を紹介している。

「生」の薬草は効力が高いが、売られている薬草入りの化粧品は、倉庫で保管されたり、流通している間に薬効が切れたりしていることもある。

 手作りの化粧品なら、生の薬草を新鮮な状態で活用でき、効果を最大限取り入れられる。

 アルコールを使えば、生の良さを保て、使うときには薬用物質を素早く肌に浸透させることができる。

大滝さんのお勧めの薬草はヨモギ。県内で手に入りやすく、かゆみや痛み、吹き出物など肌トラブルに広く効くという。

本では、スーパーなどで買える食物を使ったコスメの紹介も。大滝さんが沖縄に来て効果を“発見”したのが黒蜜で、洗顔料として、皮脂を取り過ぎることなく汚れや汗を落とせ、保湿力もあるという。

薬草ローションか黒蜜の効果か、自身の頬にできた直径1センチ大のしみがかなり薄くなった。

大滝さんは「薬草は人間が暮らしているのと同じ環境で育つので、そこで暮らす人の肌トラブルや体調に合った薬効を持っている。化粧品に取り入れて親しんでほしい」と呼び掛けた。
※沖縄タイムス 2017年11月6日より抜粋

 

手作り化粧品に興味が高い人にとっては、面白い内容なのではないかと思います。

大滝さん自身がハーブに関心を持ったのは留学先のアメリカということなので、西洋ハーブのことを研究した上で、沖縄に移住したのをきっかけとして、沖縄に自生するハーブの研究を深めていったという流れだと思います。

沖縄旅行の際、お会いして色々と話を伺ってみたいです。

西洋ハーブを生活に取り入れる場合、たいていの場合、出費が発生します。ハーブショップでドライハーブを購入したり、種・苗を購入したりするプロセスを経るからです。

その点において、身近に自生しているハーブを生活に取り入れる場合、上記プロセスがないので、金銭的な出費は発生しません。自生しているハーブを探すという手間をどう捉えるかだけだと思います。

コスト・手間の観点においては、人それぞれのおかれた環境に合ったスタイルを選択していけばいいだけの話です。

今までハーブに興味を持ったほとんどの人が、西洋ハーブから入ってきているはずですが、今後、和ハーブへの興味を持つ人が増えてくると、ハーブへの興味を持つきっかけとなる入り口が、西洋ハーブと和ハーブのどっちかになります。

そうなってきた場合、「和ハーブの方が優れている」ということを言い出す人が出てくるのではないかと予想しています。

そうなると、ハーブに関わる人にとっては全く持ってプラスにならないので、注意が必要だと思います。自分たちの業界の潰し合いになるだけだからです。

「和」「洋」というのも、人間が作り上げた観念なので、その観念を取り払ったうえで、純粋にハーブの持つ特性について検証を深めていくことが必要だと思います。

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