数々のスパイスの中でも、『シナモン』は昔から広く日本のなかで活用されていること、及び、独特の香りを持つことによって、自分の中では関心の高いスパイスであり、過去に何度か関連の記事を取り上げてきました。
【過去記事①:「シナモン・カシア・ニッキの違い」についての記事を「目的別」に分類しました。】(2019年8月18日)
【過去記事②:沖縄県と鹿児島県に自生している「オキナワニッケイ」のこと、少し調べてみました。】(2018年10月22日)
【過去記事③:鹿児島県産のシナモンティーをはじめて試飲。一般的なシナモンティーとは違う特徴がありました。】(2018年10月8日)
【過去記事④:コーラとは「バニラとシナモン風味のサイダー?」。コーラって本当に身体に悪いのか?】(2018年6月7日)
『シナモン』という一つの大きな括りの中だけでも、本当に大きな世界が広がっており、興味が尽きません。
今まで、シナモンの健康メリットに関する記事を取り上げたことは無かったのですが、今日は、”科学的根拠に基づいたシナモンの健康メリット”に関する情報を取り上げます。
単なるスパイスではなかった!シナモンの健康メリット11
シナモンは、お気に入りの料理に風味を添える以上の存在だ。抗酸化作用、抗炎症作用に抗菌作用のある成分が含まれ、ちょっとしたスーパースパイスなのだ。
シナモンが持つ健康増進パワーの全容を理解するために、Dr.Fox Online Pharmacyのデボラ・リー医師と、Healthspanの医療ディレクター、サラ・ブリュワー医師に、科学的根拠に基づいたシナモンの健康メリットについて話を聞いてみた。科学的に証明されているシナモンの健康メリット
シナモンは、常緑樹の月桂樹ファミリー、シナモマム(ニッケイ属)から派生したもの。「ニッケイの樹皮から香辛料がとれます。樹皮を剥がし、乾燥させて糸巻きに巻くかスティック状にします。それを挽いてパウダーにします」と、リー医師。シナモンには80種以上の異なる成分が含まれている中で、もっとも豊富なのが桂皮アルデヒドで90%を占め、シナモンの特徴的な温かみのあるスパイシーな風味のもとになっている。また、シナモンの健康メリットを促進する働きを担っていると長いこと考えられてきたのも、この成分だ。
近年、動物と人間で行った研究から、「シナモンの生化学的、薬効的成分についてもっと多くの詳細がわかってきました」と、リー医師。桂皮アルデヒドが主成分である一方で、「シナモンに含まれる他の成分にも、パワフルな抗酸化作用があるのです」という。
シナモマムの木には、以下のように幾つか異なる種がある。
・セイロンニッケイ(メキシカンニッケイ、トゥルーニッケイなどとも呼ばれる)
・ジャワニッケイ
・サイゴンシナモン
・シナニッケイセイロンニッケイがもっとも高価である一方、もっとも強力で一般的なのがシナニッケイだと、リー医師は説明する。何世紀にもわたり、シナモンは健康にいいと信じられ、以下のようにさまざまな医学的効果があることを証明してきた。
1:パワフルな抗酸化成分
シナモンは、人の健康にとても重要な、かなり強力な抗酸化成分が大量に含まれている。「この成分は、心臓病や糖尿病、ガン、認知症をはじめ多く深刻な医学的症状の原因となる危険分子で、日々体内で作られるフリーラジカルを中和させます」と、リー医師。2:抗炎症作用
炎症は免疫機能の反応の不可欠な部分だが、長い間放っておいて慢性炎症になると、体調が悪くなる。抗酸化物質は、必要のない時に体内で炎症が起こるのを防ぐ役に立つ。シナモンには、「強力な抗酸化作用を持つ植物性タンパク質」のフラボノイドが豊富に含まれているとリー医師は言う。抗炎症効果のあるスパイスなのだ。3:抗菌作用
多くの小規模な観察研究から、シナモンは特定の細菌の成長を抑制したり真菌を処理したりできることがわかっている。『BMC Complementary Medicine and Therapies』に掲載された調査で、サルモネラ菌、クリプトスポリジウム感染、薬物耐性を持つカンジダ菌のそれぞれ個別のケースにシナモンを補充すると、医学的改善が見られたことが報告されている。シナモンの抗菌性は虫歯を防ぎ、口臭を抑えるのに役立つかもしれないこともわかっている。
4:心機能を強化
シナモンは心機能を向上させることも証明されている。「2014年に、ラット(ネズミ)のグループを、シナモンを補充したダイエットの8週間の集中トレーニングプログラムと、制御群とに分けた興味深い研究が行われました」と、リー医師。どちらもエクササイズで、シナモングループは全体とLDLコレステロール値が低レベルで、HDLコレステロール値が向上するという顕著な結果を示しました」。また、シナモンは心臓のポンプ機能にも前向きな効果を与えることがわかったと彼女は付け加えている。5:血圧を下げる
同様に、シナモンは血圧を下げることもわかっており、「穏やかな利尿効果があって、血液中のナトリウムや水分量を低減させます」と、ブリューワー医師。「シナモンの抽出成分は血管の弾力性を向上させ、血管の拡張も向上させます」。少々血圧が高めな28人の健康なボランティアを対象にした研究では、セイロンニッケイの量を、1日あたり85mg、250mg、500mgの3つの異なる量で、3ヶ月間にわたって摂取した場合の効果を検証した。興味深いことに、3つのどの分量でも同じような結果が出た。
参加者の心臓収縮(心筋が収縮する間の動脈の圧力量)と心臓拡張(心筋がビート間の時の血圧)の血圧が1ヵ月で著しく低下し、研究期間中ずっと低いままだった。
6:脂質レベルを低下させる
シナモンは、脂質、つまりはコレステロールなど血液や体内組織に見られる脂肪のような物質の低下にも効果的で、「様々な形で効果があります」とリー医師。「シナモンは、肝臓でコレステロールを合成するのに必要な鍵となる酵素のHMG-CoA還元酵素を抑制することがわかっています」。脂肪細胞によって減少するたんぱく質で、細胞をインスリンに対して敏感にする役目を果たし、インスリン耐性に対抗するのを助ける、アディポネクチンの値を増加させる効果もあると、リン医師は加える。
7:インスリン耐性を向上させる
インスリンは、血糖(グルコース)を血流から細胞へと運ぶホルモンだ。細胞がインスリンに対して鈍感になるとインスリン耐性が起こり、「血糖値のレベルを正常範囲に維持するために体はもっとインスリンを生成するようになります。最終的には、体が対処できなくなり、本格的な糖尿病になるのです」と、リー医師。シナモン抽出成分は、骨格筋や脂肪細胞でインスリンにシグナルを送る経路を強化し、血流から細胞へより多くの血糖が取り入れられるようになると考えられていると、ブリューワー医師は言う。「いくつかの研究では、シナモン抽出成分は、2型糖尿病の人のグルコース耐性とインスリン耐性を改善することを示しています」
8:血糖値を低下させる
インスリン耐性にポジティブな影響を与える他、シナモンは他の手段で血糖値も低下させる。「学術誌『International Journal of Preventative Medicine』に掲載された、無作為に選ばれた対照臨床実験では、糖尿病の人が1日3gのシナモンを摂取するか、プラシーボ(偽薬)を摂取するか、無作為に選ばれて8週間実験に取り組みました。実験期間の最後に、シナモンを摂取したグループの空腹時血糖値、トリグリセリド、体重、BMI、体脂肪に、統計的に著しい改善が見られました」と、リー医師。9:神経防護作用がある
シナモンには脳の保護効果が多くある。「シナモンに含まれるシナモフィリンには、酸素欠乏状態になったラットの脳を保護する効果がありました」と、リー医師。「シナモンと、代謝産物のひとつである安息香酸ナトリウムは、マウスの脳にある神経保護作用の遺伝子のスイッチを入れることがわかっています」。他の研究では、シナモンはアルツハイマーを防ぐ役に立つかもしれないと示していると、彼女はつけ加えている。10:ガン予防に役立つ
人への対照研究が必要だが、動物実験では、シナモンは期待できる制ガン効果を示している。ガンは制御できない細胞の成長を特徴とするが、シナモンはそうした細胞にとって有害に働くようだ。さらに、インドのChittaranjan National Cancer Instituteが行ったマウス実験で、シナモン抽出成分が酵素の解毒を活発化し、さらなるガン細胞の成長から保護することがわかっている。
シナモンは腫瘍の成長を抑制することを示していると、リー医師。「シナモンは、炎症を刺激する炎症性サイトカインである、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の活動を抑えます。また、インターロイキンの生成、細胞増殖に重要な細胞シグナル伝達分子、化膿を低減します」と、彼女は説明する。
11:多嚢胞性卵巣症候群を緩和
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は女性の卵巣機能に影響を与える一般的な症状。その根本原因はわかっていないが、ホルモン値が異常になることやインスリン耐性と関係しているのではないかと考えられていると、ブリューワー医師は言う。「PCOSの女性15人を対象にして、8週間にわたってシナモンの効果とプラシーボを比較したところ、シナモンを摂取したグループはインスリン耐性が著しく改善しましたが、プラシーボを与えられたグループでは改善が見られませんでした。この症状を持つ女性に対するシナモンの効果を評価するためには、さらなる研究が必要です」
シナモンの健康メリット:使い方
もっとも一般的に販売されているのはシナニッケイ(カシア)で、より甘く、風味がまろやかだと、ブリューワー医師。シナモンの健康メリットを得るには、このタイプを選ぶといい。「2012年に学術誌『British Journal of Nutrition』に掲載された論文で、糖尿病の血糖値コントロールに有益な効果があるのはこのタイプのシナモンだけだと示しており、セイロンニッケイは人間には効果がないようでした」と、彼女。例えばヨーグルトやポリッジ、フルーツなどにシナモンを振りかけたり、メイン料理のレシピに取り入れたりすることは簡単にできそうだ。
シナモンのサプリを摂取すべき?
そのほうが好みなら、経口のシナモン・サプリを摂ることができる。どんな形状であれ、成人1日あたりの推奨摂取量は、体重1kgあたり0.1mgだ。「体重81kgの平均的な人なら、これは1日8g、あるいは約テーブルスプーン1杯のシナニッケイに相当します」と、リー医師。「シナモンのサプリの場合は、他の医学的症状や日常的に摂取している薬などについて、まずヘルスケアアドバイザーにチェックしてもらうことをお勧めします」。
さらに、シナモンは補完医薬品だと認識することが大事だと、リー医師は言う。「糖尿病や心臓病などの症状の患者さんにシナモンは有益かもしれませんが、従来の治療法よりいいと勧めるのに十分な根拠はありません。処方薬を飲み続けることがとても重要です」。
Translation: Mitsuko Kanno From Harper’s BAZAAR UK
※BAZAARの2020年8月2日の記事(https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/food/a33479117/cinnamon-health-benefits-20802-lift1/)より抜粋
シナモンの健康メリットの全容が簡潔にまとまっており、且つ、エビデンスに関する記述も正確に記載されているように感じるので、詳細を探求していく上での入口の情報として価値を持つ内容だと思います。
個人的に、以下の記述に高い興味を持ちました。
もっとも一般的に販売されているのはシナニッケイ(カシア)で、より甘く、風味がまろやかだと、ブリューワー医師。シナモンの健康メリットを得るには、このタイプを選ぶといい。
「2012年に学術誌『British Journal of Nutrition』に掲載された論文で、糖尿病の血糖値コントロールに有益な効果があるのはこのタイプのシナモンだけだと示しており、セイロンニッケイは人間には効果がないようでした」
セイロンニッケイ(スリランカ原産)のシナモンより、カシア(中国・カンボジア原産)のほうが健康メリットを得られやすいというのは、貴重な情報だと思いますので、今後意識をしながら、さらに精度の高い情報に触れていくことができればと思います。
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