長崎県・佐世保市(俵ケ浦半島)における「和ハッカ」特産化の動きについて

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私自身、日本における薄荷(ハッカ)産業に対する興味が高く、先日も日本における薄荷産業の歴史についての記事を取り上げました。

【過去の参考記事:日本国内におけるハッカ(薄荷)産業の盛衰年表。これをおさえておくことで今後様々な気づきを得られそうです。

今現在、日本において、「ハッカ(薄荷)」、「和ハッカ」、「ニホンハッカ」と呼んでいるものは、もともと中国が原産で、江戸時代に日本に伝来したものと考えてよさそうです。

以前は、「ハッカ」=「日本原産のミント」という認識を持っていたのですが、それは誤りで、正確には「ヒメハッカ(姫薄荷)」という種が日本原産のようです。

ミントの世界は本当に多種多様なので、日々「自分の認識は誤っているかもしれない」という意識を持って接していますが、今後様々な角度からミントの情報に接していく過程で、自分の中で体系立てていくことが重要だと考えています。

今日は、長崎県における「和ハッカ」特産化の動きについて取り上げたいと思います。個人的には目新しい動きだと感じました。

生産少ない「和ハッカ」が佐世保・俵ケ浦半島で 特産品にしようと奔走

収穫期を迎えた和ハッカ=佐世保市野崎町

佐世保市の俵ケ浦半島の住民有志らが昨年3月、ハーブを新たな特産品にしようと始めた「俵ケ浦半島ハーブプロジェクト」今年4月に定植した在来種のハーブ「和ハッカ」が収穫期を迎え、メンバーらが本格的な出荷・販売に向け準備に奔走している。

地元の町づくり団体「チーム俵」を中心に始動。地元住民12人が参加し、本業の合間に無農薬無化学肥料で、それぞれの畑でハーブ栽培に取り組んでいる。栽培から販売まで自分たちの手で行うことで、より多くの地域の人たちを巻き込み、横のつながりを強めながら持続可能な体制をつくるのが狙い。

住民らは20日、同市内の飲食店5店を訪問。地域活性プランナーの石田奈津子さん(33)に営業のノウハウを教わりながら、和ハッカをPR。エンドユーザーのニーズや売り込み方法を学んだ。

初めて営業を経験した専業農家の山口郁さん(41)は「難しかった」と感想。「もっと和ハッカや営業のノウハウを勉強して、俵ケ浦の和ハッカに親しみを持ってもらえるようにしたい」と意気込みを話した。

同プロジェクト事務局によると、和ハッカは、全国でも生産地が少なく、メントール含有量は世界一だという。今後、福岡県のカフェと共同での商品開発や、東京、大阪などの飲食店への出荷に取り組む。問い合わせは事務局の山口さん(電090.7290.7652)。

飲食店の店主(左)に和ハッカをPRするメンバーら=佐世保市内
※2020年6月25日の長崎新聞の記事(https://this.kiji.is/648772203058594913?c=539260265700918369)より抜粋

佐世保市の俵ヶ浦半島の場所は以下ですが、直線距離ではハウステンボスから割と近そうです。

昨年9月に、岡山県矢掛町における日本薄荷を観光資源化する動きを取り上げましたが、この動きは、約50年前にハッカの栽培で栄えていた地域を、改めてハッカ栽培を普及させることで地域の魅力を高めていこうという意味合いでした。

【過去の参考記事:「幻の日本薄荷(はっか)」を復活させ、宿場町として栄えた街に新たな観光資源を提供する岡山県の「矢掛ハッカ普及会」。北海道のハッカのルーツは岡山県にある?】(2019年9月30日)

ただ、今回の佐世保市の俵ヶ浦半島におけるハッカ特産化の動きは、歴史背景とは全く関係なく、希少価値の高い和ハッカと特産品とすることで地域をアピールしていこうというものだと思います。

ハッカ産業は、歴史背景含めると北海道・北見市が圧倒的なプレゼンスを持っていますが、今後、10年、20年のスパンで見た場合、北見以外の土地にも新たなハッカ産業の地が生まれるかもしれない気がしてきました。

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