昨日、息子と公園の近くを歩いていると、春を感じる光景を目にしました。(以下)
スイセンの花が2輪咲いていて、その周りにも花が咲く前の新芽がニョキニョキと顔を出していました。
春は、蕗の薹(フキノトウ)、タラの芽、ウドなどの旬の食材が食卓に並ぶのが楽しみになる季節ですが、個人的には『薬膳』の考え方が、この季節になると、ふと頭に浮かびます。
薬膳における春の養生法として、『冬に溜め込んだ不要なものを排出(デトックス)することが大切』という考えがあり、苦味があるものの摂取を推奨しています。
解毒作用を持つ”肝”の働きを高めるのにいい食材としては、旬を迎えるタウリンが豊富な貝類や、木の芽やウドなどの香りのいい山菜、カロテンの多い菜の花やニンジンなどもいいようです。
『旬のものは身体にいい』という昔からの言い伝えは理にかなったものであることがわかります。
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今日は、春が近づいてくると悩む人が多い「花粉症」の症状を和らげる薬膳のレシピが書かれた記事について取り上げたいと思います。
花粉症の3つの症状を、食べてやわらげる薬膳レシピ6
―つらくなる前に、食べてケアを【鼻のムズムズに】菜の花、わかめ、しらすのスープ
わかめは、鼻水の余分な水分を輩出するのにひと役! さらにビタミンCが豊富な菜の花は温め食材なので、冷やし食材のわかめとのバランスとして◎。菜の花は、ビタミン、ミネラルが豊富な上に抗酸化力があり、解毒にも働く食材だ。
鼻水がさらさらの場合は、とくにスープを温かくして食べて。※レシピのリンクが削除されていましたので、「菜の花、わかめ、しらすのスープ レシピ」で検索した時のトップページのリンクを貼ります。この後に出てくる別のレシピについても同様です。
【鼻のムズムズに】とうもろこしと雑穀のメキシカンサラダ
とうもろこしや大豆は身体を冷やさずに余分な水分を排出するので、覚えておくと便利(水分を排出する食材は、冷やし食材が多い)。
ちなみにマンゴーやパクチーも水分を排出する食材。マンゴーには目や皮膚、粘膜の健康維持に欠かせないβ-カロテンが豊富。また、体内の余分な水分を取り除くため、むくみの改善や、のどの渇きをやわらげる作用も。
マンゴーサルサで食べる雑穀サラダは、フレッシュなとうもろこしがない時期は缶詰で代用してみて。【目のかゆみ、のどの腫れに】春菊とグリーンオリーブのジェノベーゼ風
春菊は目のかゆみに、オリーブはのどの腫れに。どちらも痰を排出する働きがある食材だ。
多めに作って、毎日の朝食のバゲットに添えて食べると手軽にこまめに摂取できておすすめ。ラップし、表面が酸化しないようにすれば冷凍保存も可能だ。【のどの腫れに】れんこんのピーナッツみそ和え
れんこんを下ゆでする際に、さっとゆでるくらいにとどめて、生に近い状態で食べると、のどの腫れにとりわけ効果を発揮。
ピーナッツは、のどから肺にかけての乾燥を潤し、咳止めの作用もあるそう。【肌あれ】アボカドのヨーグルトサラダ
炎症を起こしている肌に対して、熱を冷ます作用のある食材の組み合わせをサラダに。
とくにドレッシングは、発酵食材のヨーグルトや白味噌を使い、レモンのビタミンCも加わって、長い目で体質改善していくときにもおすすめ。
添える野菜はブロッコリや菜の花、スプラウトなどに変えても◎。【肌荒れ・鼻のムズムズに】メロンのデザート はと麦のコンポート添え
メロンとはと麦の作用は、熱っぽさや粘りのある鼻水。それをやさしい甘さのスイーツにしたレシピがこちら。
はと麦の皮を除いた種は「薏苡仁(ヨクイニン)」という生薬。余分な熱や老廃物を排出し、吹き出物、シミ、そばかすなどの肌トラブルの改善のほかターンオーバーに良い食材。はと麦コンポートをまとめて作り、ヨーグルトや旬のフルーツにかけて日常的に食べるのがよさそう。季節によってフルーツを変えて試してみよう。たとえばいちごなら、漢方では「脾」「胃」の機能を高めて消化不良を助けたり、食欲不振を改善する働きや肝臓の働きをよくする作用があるそう。体の余分な熱を取り、体を潤すので、のぼせやほてり、のどが痛い時におすすめだ。
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ちづかみゆき
美容薬膳研究家。国立北京中医学大学日本校(現 日本中医学院)にて薬膳を学び、国際中医薬膳師資格を取得。上海にて活動した後、東京で季節の薬膳と美容の薬膳を中心とした薬膳料理教室「meixue(メイシュエ)」を主宰。
現在は東京とボストンを行き来しながら雑誌、企業へのレシピ提供やイベント講師などを務める。http://meixue.jp/
https://www.instagram.com/miyukichizuka/※ELLEの2020年3月6日の記事(https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-cooking/g30772333/yakuzen-20-0306/?slide=7)より抜粋
どのメニューも写真を見るだけで、清々しい気持ちになり、ムズムズする花粉症の季節に効果的に取り入れていきたいものが多いです。
また、薬膳を気軽に楽しむコツのようなものが、ちづかみゆきさんの記事からは伝わってきます。
私も徐々に、生活の中に自然に、且つ、手軽に薬膳を取り入れていくことより、自身のハーバルライフを充実させていきたいと思います。