ちょうど一年前、東京・外苑前にある【ワールド・ブレックファスト・オールデイ】というレストランへ行った時のことをレポートしました。
【過去の参考記事:ハーブたっぷりの「イランの朝食」をはじめて食べてきました。】
ちょうど私が行った時は、特集メニューとして「イランの朝食」が取り上げられていたので、それを食べてきたのですが、イランの飲料、食事、デザートには「サフラン」がよく使われることがわかりました。
その時に、サフランの生産量において、「イラン」が世界一であることを知り、驚いたことも記憶しています。
因みに、日本におけるサフラン生産量日本一は、「大分県竹田市」です。
【過去の参考記事:サフラン生産量日本一は「大分県竹田市」であることを偶然知り、国内のサフラン事情について調べてみました】
最近は、日本国内において、休耕田や空き地を利用して、サフランを栽培する農家も出てきているようですので今後のトレンドが楽しみな領域です。
【過去の参考記事:休耕田や空き家を利用してサフラン栽培を開始した農家のことを知り、国内のサフラン栽培市場の復活の兆しを感じました。】
そんなサフランに関連する内容で、昨日興味深いニュースが入ってきましたので、ご紹介します。
エアリーフローラにサフランと同種色素 県立大など確認
石川県立大生物資源工学研究所(野々市市)などの研究グループは、県産オリジナル品種「エアリーフローラ」をはじめとするフリージアの黄花の色素成分が、利用価値の高い植物サフランに含まれる色素と同種であることを突き止めた。食品や香辛料、生薬などに多用されるサフランは高価であり、エアリーフローラで代用されれば、機能性食品や医療品原料の生産に安価に活用できるようになるという。
エアリーフローラの活用策を探り、三沢典彦教授(62)らが2018年度から研究した。
県農林総合研究センター農業試験場からエアリーフローラの黄花品種「エアリーイエロー」の提供を受け、花びらから抽出した色素の分子構造を調べた。
結果、「クロセチン配糖体」と呼ばれる色素であり、植物や微生物が作る天然色素カロテノイドの一つだと判明。珍しい水溶性であることが明らかになった。サフランの雌しべの分子構造と比較した場合、ブドウ糖分子が一つ多い類似体であることも分かった。
サフランは雌しべを乾燥させた香辛料で知られるが、天然色素カロテノイドは雄しべからしか抽出できない。エアリーフローラの場合は花一輪からサフランの倍以上となる約5ミリグラムが取り出せた。
商品化された乾燥サフランは香辛料や染料、生薬などとして用いられている。100グラムあたり5~10万円の高値で販売されていることから「世界で最も高価なスパイス」とも言われている。
エアリーフローラとサフランがほぼ同種の色素であることが分かったため、医薬品や化粧品、機能性食品への応用が期待される。三沢教授によると、酸化防止作用のほか、老化防止に効果がある可能性もあるという。
エアリーフローラからカロテノイドを抽出して販売する行為について特許出願した三沢教授は「エアリーフローラをサフランの代用品として安く提供できれば、石川発の新たな産業につなげられる」と話した。
研究は農業試験場、新藤一敏日本女子大教授と共同で実施した。日本農芸化学会福岡大会(25~28日)で成果を発表する予定だったが、新型コロナウイルスの感染予防で中止となった。
※北國新聞の2020年3月6日の記事(https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20200306102.htm)より抜粋
これは有益な発見だと思いますが、個人的には、このエアリーフローラの黄色色素から出てくる香りも気になります。サフランの代用として使用するならば、色素だけではなく、香りも重要だと思うからです。
それにしても、最近は、石川県のハーブの取り組みが特に活発化してきている印象を受けます。
過去に何度か取り上げている【ミントレイノ】も石川県です。
【過去の参考記事:「ハーブの里・響きの森ミントレイノ」(石川県白山市)は、ハーブを核に据えた地域づくりのロールモデルとなっていくように思います。】
石川県は、過去に仕事で2度ほど行ったことがありますが、当時は、ハーブのハの字も知らない時だったので、次回、石川県に行くときはじっくりと計画を立てて訪問したいと思います。