先日、妻と息子との間の会話の中で、妻が、
「”からし”って、マスタードの事よ」
という言葉を耳にしました。
これを聞いた時に、
「本当にそうなのかな?」
「からしって何からできてるの?」
「からしとマスタードの違いって何?」
というように、自分の中で疑問が止まらなくなり、インターネット上で調べてみると、「からし」と「マスタード」のことについて自分はほとんど知らなったことに気付かされました。
まずは以下の記事をご紹介します。
意外に知らない!「からしとマスタードの違い」原料や種類・味の違い
ピリっとした辛みが特徴の「からし」と「マスタード」。料理によって使い分けていますか? 普段何となく使っているこの2つ。違いをご存知ですか?【からしとマスタードの違い】についてご紹介します。
【からしとマスタードの違い1】製造方法
からしもマスタードも、黄色い花を咲かせる、アブラナ科の「からし菜の種子」が原料として使われています。PIXTA 「からし」と「マスタード」は製造方法が異なります。
からし
「和からし」とも呼ばれます。アブラナ科「からし菜」の種子の種をすり潰した「粉からし」を水で溶いて練ったものをからし(練からし)と言います。
水で溶く際、40℃くらいのぬるま湯で溶くと、辛味成分がよく出るそうです。マスタード
「洋からし」とも呼ばれます。からしと同じくアブラナ科「からし菜」の種子アブラ菜の種に酢や砂糖、ワインなどを加えて造られます。種をすり潰して練ったものや、すり潰さず粒状のまま作られるものなど、さまざまな種類があります。
【からしとマスタードの違い2】原材料
からしとマスタードの2つめの違いは、使われている種(マスタードシード)にあります。
それぞれの原料の違いをご紹介します。PIXTA
和からし
和からしの原料は「オリエンタルマスタード」の種です。オリエンタルマスタードは、つーんと鼻に抜けるような強い辛みがあります。
マスタード
マスタードは「イエローマスタード」や「ブラウンマスタード」などの粒から作られ、マスタードの種類によって原料が異なります。オリエンタルマスタードと比べて穏やかな辛みで刺激が少ないのが特徴です。
【からしとマスタードの種類と使い分け】和からし編
からしとマスタードにはさまざまな種類があります。それぞれの種類と特徴について、まずは和からしからご紹介します。
からしは和食との相性が良く、おでんや和え物、薬味として幅広く使われています。
PIXTA
粉からし
オリエンタルマスタードの種をすり潰して粉状にしたもの。
練りからし
粉からしを水(ぬるま湯)で溶いて練ったもの。
【からしとマスタードの違い】マスタード編
ディジョンマスタード
PIXTA
フランス、ブルターニュ地方の「ディジョン」で多く作られ、マスタード種の外皮を取り除いてすり潰し、ワインやビネガーで練って作られます。明るい黄色となめらかさが特徴で、サンドイッチなどによく合います。舌触りはより軽くなめらかに仕上げられています。
イギリスマスタード
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粉マスタードに小麦粉、ウコンを加えて作られ、鮮やかな黄色はウコンによるもの。
日本の「和からし」のように、強い辛みが特徴です。なめらかで辛みがあり、ソーセージやローストビーフなどによく合います。伝統的に、脂の多い魚などに使われる「マスタード・ソース」の原料としても使われるそうです。アメリカマスタード
PIXTA
ターメリックで黄色く着色されています。
辛さが控えめなマイルドなマスタードで、ホットドッグやハンバーガーによく合います。
お肉料理やサラダのドレッシングなど、さまざまな使い方ができます。粒マスタード
ブラウンマスタードを使用し、種子を細かく粉砕せず粒が残っているので、粒粒の触感が味わえるのが特徴です。マイルドなマスタードです。からしとマスタードの歴史からしとマスタードは、人がまだ狩りや木の実拾いをしていた紀元前から使われていました。当時は肉に種(マスタードシード)を直接かけて食べたり、医薬品として使われていたそうです。
日本では、奈良時代から香辛料として貴族たちの間で使われるようになり、当時は薬味として、カラシ菜の葉の部分だけが使用されていたそうです。
その後、病気の治癒や戦乱の平治を祈願する際に使われるなど、食用以外にも使われてきたと言われています。おわりに
今回は「からし」と「マスタード」の違いについてご紹介しました。
違いや特徴を知っておくと、料理に生かせそうですね。からしとマスタードを上手に使い分けて、お料理の幅が広がると良いですね。参考:ハウス食品株式会社「よくあるご質問」
参考:キューピー「マスタードの豆知識」
参考:maille「マイユ豆知識 マスタードとは」※ウチコトの2017年7月15日の記事(https://tg-uchi.jp/topics/4973)より抜粋
今まで、「からし菜」はよく食べていたのですが、その名前の由来は、『からしのようにピリピリするから』と勝手に思い込んでいたのですが、
「からし菜の種」が使われていたということ、そして、からし菜の種が、いわゆる「マスタードシード」であることを全くもって知りませんでした。
日本の「和からし」は、マスタードシード以外の混合物が非常に少ないというイメージですが、海外(フランス、イギリス、アメリカ等)においては独自のマスタードの味付けの文化が醸成されてきたのも興味深いです。
また、以下のページには、マスタードに関する歴史が記載されているので貼ります。
マスタードの歴史
何世紀もの間、マスタードは世界で最も広範に栽培され、利用されてきた調味料のひとつでした。マスタードは古代エジプトに起源を持つとされ、ギリシャ人には医薬品と調味料として利用されました。ローマ人はギリシャ人を真似て食料と医薬品の両方の目的で利用し、ヒステリーや蛇毒、腺ペストなど、様々な疾病の治療薬と考えていました。
マスタードは、ローマ人によってフランス北部にもたらされ、そこで修道士に栽培されるようになりました。9世紀までには、修道院はマスタードの販売により相当な収入を得るようになりました。マスタードという言葉の語源は、ブドウのマストを意味するMostoであると考えられています。マストとは若い未発酵のワインのことで、それにフランスの修道士がマスタード種子のすり潰したものを混ぜていました。
我々が今日使っている加工マスタードは、フランスのディジョン市で13世紀に始まったもので、マスタード愛好家であったアヴィニヨンの教皇ヨハネ22世の支援を受け発展しました。教皇は、ディジョン市の近くに住んでいた職のない甥っ子のために、Grand Moutardier du Pape(教皇付きの大マスタード職人)
という役職を作ったことで知られています。19世紀初め、イギリス人が世界で初めてマスタードの製粉を始めました。彼等はマスタードの種子の中心部を細挽きし、マスタードを産業用食材として確立しました。今日私達がよく知っている黄色いマスタードは、1904年にニューヨーク州ロチェスターで発案され、ホットドッグとの相性のよさから人気を博しました。
この古来の種子は、今日では何千もの食品に不可欠な食材となり、その様々な特性のためますます利用されるようになっています。
上記の記事は、マスタードの歴史をシンプルに俯瞰できる情報で非常に参考になります。
あと、以下のページには、マスタードについて徹底解剖するという主旨の記事になっていますのでリンクを貼ります。
さらに、以下のページの「和がらしのお話」も参考になります。和がらしの原料の「オリエンタルシード」のほとんどがカナダで生産されているという情報が記載されています。
今後のハーバルライフの中で、「からし」「マスタード」の捉え方に大きな変化が出てきそうです。ワクワクしてきました。