オリーブ界のボジョレー・ヌーボー「ノヴェッロ・オイル」とは

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以前、「そのエクストラバージンオリーブオイルは本物か偽物か論争について思うこと」の中で、昨今の加熱するオリーブオイル市場について感じることを書きましたが、昨日、オリーブオイル系の興味深いニュースを見ました。

今年もいよいよ解禁!オリーブオイルの新物「ノヴェッロ・オイル」】という触れこみで、いかにもボジョレーヌーボー解禁!的な書き方だったのでチェックしました。以下に一部抜粋します。

1. まるで、搾りたてのフレッシュジュース!

ワインの新物「ボージョレー・ヌーボー」は、なにかと日本でも話題になる。一方イタリアでは、ワインよりもオリーブオイルの新物を楽しみに待つ人々が多いという。なぜならワインは、熟成が進むにつれ味わいが増して価値も上がるが、オリーブオイルは搾りたてのフレッシュなものほど風味がよく貴重だからだ。

10月下旬から11月にかけて、オリーブの実を若摘みして作られるのが、オリーブオイルの新物「ノヴェッロ・オイル」だ。いわば、オリーブの「搾りたてフレッシュジュース」。口あたりはあくまで軽いのだが、さわやかな青みが残るビターな味わいが特徴的だ。このノヴェッロ・オイルを味わえるのは、一年のうちで秋が深まるこの季節だけ。日本でもその年によって若干時期は異なるが、12月には入荷が始まることが多い。お見逃しなく!

2. ノヴェッロ・オイルが主役!さわやかな味と香りを楽しむ

バージンオリーブオイルは、オリーブの果実を絞っただけで、化学処理をいっさい施していないものを指す。そのなかでも、今や料理の仕上げに欠かせない「エキストラ(EXV)オリーブオイル」は、国際基準によって最上級と定められたもの。栄養価の高さが特徴だが、ノヴェッロ・オイルにはさらに多くのポリフェノールやビタミンなどが含まれている。まさに新鮮さがもたらす恩恵だと言えるだろう。解禁直後の味と香りを存分に堪能するためにも、フレッシュ感を損なわず生でいただくのがお約束。一年で最も美味なオリーブオイルを主役とした料理を作り、楽しむのもオツである。

期間限定!今が旬!と言われると一度は試してみたくなるのは人間の心理ですが、私は「まるでフレッシュジュース 」という部分に注目しました。

私自身は、オリーブオイルに対して深いこだわりがないので、非常に高価なエクストラバージンオリーブが置かれていても全く注目することがありません。

過去に色々なエクストラバージンオリーブオイルを口にしてきましたが、自分自身のオリーブオイルに求める基準が高くないというのもあると思うのですが、明確な違いが感じられたことが無かったというのも、こだわりがない理由です。

でも、「フレッシュジュースのようだ」と言われると俄然興味が沸いてきました。

こちらのブログに実際の「ノヴェッロ・オイル」の写真と、詳しい説明があります。

通常お店で販売されているのはフィルタリングされていますが、このノヴェッロ・オイルは全くフィルタリングがされていないのが一番の違いのようです。この違いがどのような品質の違いをもたらすかについて、このブログに書かれているので一部抜粋します。

すり潰した状態のオリーブ果実をプレスして、液体分を搾り出し、さらに遠心分離にかけることで油分から水分を取り除いたエクストラ・ヴァージン・オイルとなるわけですが、通常のオリーブオイルはその一番搾りを細かいフィルターに通して濾過(ろか)されます。一般的に、販売店で見ることのできる、透明の澄んだ黄金色(ものによっては薄緑色)がそうですね。

一方のノンフィルター・オイルは、あえて濾過(ろか)を通さないことで、オリーブ果実由来の香りや青み、テクスチャーを個性として際立たせること目指したやや特殊なオイルで、輸入されている絶対数は少なく一般的には入手しにくいタイプ。オイル中にミクロレベルの微細なオリーブ果肉が浮遊した状態のままボトリングされるので、その色は少しニゴリのある深い色合いとなり、口ざわりもトロリとした質感が印象的です。

搾ったオリーブオイルを、フィルタリングするかしないかは、生産者それぞれに考え方と理由があるので、一概にどちらが優れているというものではないですよね。たとえば生産量の多い、広く世界に輸出するような大きなメーカーなら、フィルターで澱(おり)を充分に取り除き、品質を長く保つことのできる安定的なオイルの供給を目指すことでしょう。

一方の、新鮮なノンフィルター・オイルは、手に入れて開封したなら、
いさぎよくドンドン使いきってしまう のがベターと思います。

あえてノンフィルター(Non filtrato)の製法を採用する造り手には、当然こだわりがあり、個性を重視した特別なジャンルのオリーブオイルを目指していると言えます。オイル中に含まれる細かいオリーブ果肉の粒子が、特有の香りや色彩、質感を生みだしますが、月日の経過とともに澱(おり)として瓶底に沈んでいくので、あまりに長く時間が経ってしまうと澄んだマイルドなテイストに変化していきます。つまり、その上澄みのオイルは、しだいにフィルターを通したオイルの状態に近くなっていくということです。

と同時に、果肉分など含んでいるゆえに、保存状態が悪かったり古くなってしまうと、せっかくの特別なオリーブオイルも品質が劣化してしまい、ガッカリということに。実際、フィルターを通したオイルより賞味期限もやや短め(約12ヶ月)に設定されることが多いです。

オリーブオイルの中に果肉が舞っている写真を見ると、なんだかゴクゴクいけそうな気がします。

正直、オリーブオイルの世界って、よっぽどこだわっている人でなければ面白味を感じない世界だと思うのですが、このオリーブ界の「ボジョレーヌーボー」的な存在を知るとなんだか楽しくなってきました。

日々の食事の中でも、

春に食べるフキノトウ
夏に食べるゴーヤ
秋に食べる秋刀魚
冬に食べる小松菜

など、「旬」のものを食べるというのは、その食材のエネルギーがあふれている状態でもあるので、本当においしく感じます。

※旬の食材カレンダーというページ、役に立ちそうなのでリンクを張ります。

ハーブの世界においても、花が咲く前の葉の香りが強いとか、やはり「旬」という考え方は適用できるので、楽しみを広げる観点で大事だと思います。

12月になったら、この「ノヴェッロ・オイル」を注文します! いまから楽しみです。

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