「秋のダリア旅」で味わう北海道のガーデンの魅力

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昨日の情熱大陸は、フランスのモネ財団から、世界で唯一モネの名を冠することを許された高知県にある『北川村「モネの庭」マルモッタン』の管理を担う庭師/川上裕(かわかみ・ゆたか)さんが取り上げられていました。

モネの世界観を理解するために、フランス・ジヴェルニー(モネの自宅庭園)を何度も訪れ、モネの絵画にある色彩・光・空気感、その全てをガーデンづくりに生かし、仕事に取り組む姿勢に大きな感銘を受けました。

ジヴェルニーのモネの自宅庭園を管理する師匠からも、絶大な信頼を置かれる川上裕さんの存在を知ることができ、良かったと思いました。

今日は、北海道におけるガーデンの楽しみ方に関する情報を取り上げたいと思います。

北海道のガーデンを堪能する「秋のダリア旅」

ダリア

日本中で一番早く秋が訪れる北海道。10月上旬はダリアが見頃を迎え、各所のガーデンでは壮大な景色の中に鮮やかなダリアが目をひきます。今回は10年間、毎年北海道を旅してきたという千葉在住の橋本景子さんによる北海道一人旅。旅のテーマは「ダリアの美しさを堪能する」。秋色に染まる庭風景とダリアの写真とともに秋の北海道を旅する気分をお届けします。

秋ならではの美しい風景に会いに行く

毎年恒例の北海道へのガーデンツアーは、例年ならば7月初旬、バラの開花時期に合わせて友人達と一緒に行くことが多かったのですが、ここ数年は春の華やかさとはまた違った美しさがあると知ってからは、秋のガーデンを訪ねるのも楽しみになっています。

昨年2020年10月初旬は、ちょうど緊急事態宣言が解除された合間でしたが、コロナ禍でもあったので、行き先もスケジュールも行き当たりばったり。気の向くままの自由な一人旅にしました。でも、一つだけ決めていた目標は「ダリアの美しさを満喫する旅」でした。

十勝ヒルズ
久しぶりの「十勝ヒルズ」、こんなに美しい場所ですがお客さまはまばら。

新千歳から2時間ほど。まっすぐ帯広に向かい、春に行けなかったガーデンを巡ります。

まずは中川郡幕別町にある「十勝ヒルズ」へ。

十勝ヒルズ
「十勝ヒルズ」のローズガーデン。イングリッシュローズがたくさん植えられたガーデンには秋バラとローズヒップが美しく競演。

花と食と農がコンセプトの、丘の上の広大なガーデンでは、リンゴやベリー、はちみつやバニラなどの美味しい香りがするバラ35品種800株が植わるバラ園と、果樹、ハーブなどの食べられる植物を育てるポタジェ。そして、ピクニックを楽しみながら宿根草を愛でるエリア、アニーカというガーデンの妖精が住むといわれるピンクのガーデン、さらには、睡蓮が咲きトンボが行き交うトンボ池などユニークなテーマの9つのエリアがあり、心身共にリラックスして、ゆったりと過ごすことができます。

十勝ヒルズ
青空の下、手入れが行き届いた芝生に鮮やかな色にペイントされたガーデンテーブルとチェア。

十勝ヒルズ

花期が長い青花、サルビア‘ミスティック・スパイヤーズブルー’を列植して十勝の青い空を表現した「スカイミラー」。遠くに十勝の街を望む、カラフルな『映えスポット』です。

十勝ヒルズ

広い芝生を海原に見立てて、プカプカと浮かぶ小島をイメージしたという「フラワーアイランズ」。アイランド型に作られた植え込みエリアの中は、一年草や宿根草で彩られています。

ダリア
その中のいくつかはダリアのアイランドに。

ダリア
ダリアの魅力は、この優雅さと華麗さでしょうか?

「十勝ヒルズ」を後にし、次の目的地に向かう途中に、突然現れた案内板。

一人旅の気楽なところは「あ、じゃ立ち寄ってみよう」と瞬間的に決められる事ですね。

懐かしい名前の駅がすぐそこにありました。

知った名を発見してちょっと寄り道

愛国駅
「愛国駅」の切符のモニュメントと懐かしいSLの車両。

旧国鉄時代に「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで大人気になり、今ではもう廃線となっている広尾線の駅です。この切符が大流行したのは、もうはるか昔のことですが……。

鉄道オタクの夫のためのお土産写真を撮って、次のガーデンに向かいます。

旅に欠かせない場所「十勝千年の森」でメドウを見る

十勝千年の森

1000年という単位で時間が流れる森の視点から物事をとらえ、本質にきちんと向き合いながら、自然と人が真に共生していくための一歩を踏み出すべく取り組んでいくことから名付けられたという「十勝千年の森」。北国の庭園文化の創造を目指して展開する4つの「北海道ガーデン」と「HGSデザイナーズガーデン」、国内外の気鋭の作家による8つの現代アート作品が森に点在する「ARTLINE」によって、魅力的な屋外空間が構成されています。

メドウ
このメドウが見たくてここに来ると言っても過言じゃないほど大好きな景色です。

中でも、ガーデンデザイナー、ダン・ピアソンが、十勝の大自然からインスピレーションを受けデザインした「メドウ・ガーデン」はナチュラリスティック スタイル(自然主義の庭)としては日本で初の試み。土地の自生種とその系統を汲む園芸種や、十勝と似た気候の北米の植物が使われていて、一つの植生から次の植生へと連なり合って咲いていくナチュラルな風景に出会えます。この景色を初めて見たときに、日本人が憧れていたバラを中心としたイングリッシュガーデンとは全く違う印象にびっくりし感激したものでした。

十勝千年の森
真っ赤なペルシカリア‘アトロサンギネア’の後方にグラスの穂が広がっています。

それ以来十勝千年の森にあるメドウの風景は、私の北海道ガーデンツアーには欠かせない場所の一つとなりました。

ダリアダリアダリア

ガーデンカフェにアレンジされていた、たくさんのダリアを独り占めして、ゆっくりと写真を撮らせていただきました。なんと贅沢な時間だったことでしょう。

レイズドベッド
レイズドベッドのキッチンガーデンの向こうにカラフルな秋のガーデン。

十勝千年の森
独特な形の屋根を背景に、オレンジや赤のダリア。

十勝千年の森
美しく紅葉するカフェのパーゴラ。

秋のガーデン
ガーデンからの植物を使った秋イメージのディスプレイもさりげないけどカッコいい。

アスター
暴れて咲いているアスターも大好きな色です。

紫竹ガーデンの景色を独り占め

紫竹ガーデン

秋の日は切ないほどに短く、帯広のホテルに着く前に、時間があればもう1カ所と思い、「紫竹ガーデン」に滑り込みました。

遠く日高山脈の峰々を望み、十勝平野の田園地帯に広がる15,000坪という広大なガーデンは6時の閉園までは、もう少し時間があり、ここもまたお客さまがほとんどいらっしゃらない独り占めのガーデンでした。

紫竹ガーデン
ここもガーデンは収穫祭を思わせる鮮やかな色彩。

紫竹ガーデンダリア

寒冷地でダリアを咲かせるためには、たいへんな労力が必要なことは知ってはいますが、これだけの数となると、気が遠くなりそうです。

紫竹ガーデン

お怪我で入院されていると聞いていた昭葉おばあちゃんがいらして、入院中にアマビエをたくさん描いて皆さんにお配りしたことや植物のことなど、2人で小一時間ほどおしゃべりをして、楽しい時間を過ごしました。

今年春に突然亡くなられたと知り、あの日にゆっくりお話しできたことがまるで奇跡のように思えて、今でも素敵な思い出として心に残っています。

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.6万人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどうつくろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。

YouTube Kay garden
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

※Garden Storyの2021年9月26日の記事(https://gardenstory.jp/gardens-shops/60442)より抜粋

2017年に、北海道ガーデン街道の試みについて紹介したことがあります。

【過去記事:ラベンダーだけではない、富良野を中心点とする「北海道ガーデン街道」という試み】(2017年8月1日)

2008年に北海道ガーデン街道協議会が発足し、それまで個々に経営していたガーデンが連携することで、ドイツのロマンチック街道のような広域連携の観光事業を行おうという試みがスタートしました。

連携したのは以下の8つのガーデンです。

今回取り上げた橋本さんの旅の記事中のガーデン(十勝千年の森・十勝ヒルズ・紫竹ガーデン)は全てそれに含まれます。

北海道ガーデン街道の試みも花を咲かせていることを知らせてくれていると思います。

北海道ガーデン街道はゆっくりと一つ一つ周ってみたいです。

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