AIを使って”歴史的な香りや匂いの再現”を目指す研究者のチームにEUが資金援助をする背景

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過去に人工知能(AI)を使って特定の土地の香りを再現する試みや、アーユルヴェーダや漢方の医学領域ですでにAIによってすでに革新が始まっていることを紹介する記事を取り上げたことがあります。

ゴールドコースト観光局などが推進するAI(人工知能)を活用したハーブティー「Kaori Tabi」について。】(2018年4月17日)

人工知能(AI)技術を、漢方薬の作用機序や新規効能などの予測に役立てる試みについて】(2019年9月18日)

人工知能で進化を続けるアーユルヴェーダ。インドで起こっている医療革新について】(2019年5月22日)

「AI×香り」「AI×伝統医学」の領域は個人的に大きな興味があるため、今後の動向から目が離せないと思っていたところ、「AI×香り」の領域で非常に興味深いニュースを見ましたので早速ご紹介します。

AIで「歴史的な香り」を再現する試み、EUの資金援助で始動

EUは先日、人工知能を使って歴史的な香りや匂いの再現を目指す研究者のチームに280万ユーロ(約3億4700万円)の助成金を授与した。

「Odeuropa」と呼ばれる団体は、歴史学や美術史、計算言語学、コンピュータビジョン、博物館学などの専門的知識を持つヨーロッパの科学者らのグループだ。彼らは、今後の3年間で歴史的な匂いや香りのデータベースを構築すると宣言した。

研究チームは、様々な香りがどのように社会的な意味を獲得し、時間の経過とともに変化してきたかをチャート化しようとしている。Odeuropaの一員のウィリアム・タルレット博士は、ガーディアンの取材に、「タバコの香り」を例にあげて説明した。

「16世紀に欧州に持ち込まれたタバコは、最初は非常にエキゾチックなものと捉えられていたが、すぐに一般レベルに普及し、日常の暮らしの一部となった」

研究チームは、AI(人工知能)のアルゴリズムで、歴史的な書物や画像から香りについての言及を探し出し、データベースに集約していく。その過程で、匂いがもたらした感覚や、社会的意味などを探り出し、それらが時間と共にどう変化したかを把握するという。

ローズマリーなどのハーブはかつて、ペストのような疫病から身を守るために使われていたし、18世紀から19世紀にかけては気つけ薬としても使用されていた」と、タルレット博士は話す。

研究チームは、香りの百科事典とも言えるデータベースを構築することで、歴史を様々な感覚を通じて味わうエクスペリエンスを生み出そうとしている。彼らはさらに、AIの力で過去の香りを復元し、それらを博物館などに提供しようとしている。

AIで歴史を再現するプロジェクトは、他にも存在する。昨年、ロンドン大学の研究者たちは、マシンラーニングを用いて15世紀の北ヨーロッパの画家である、ファン・エイク (van Eyck) の絵画の一部を再現した。

EUが資金援助を行ったもう一つのプロジェクトのTime Machineは、AIを用いて欧州の都市が過去にどのように見えていたかを再現していた。

さらに、グーグルは今年10月、歴史的な地図や画像を使って都市を再構築するための、ディープラーニングを基盤としたツールセットを発表した。グーグルはこのツールで、人々が仮想空間の中で歴史的な都市を訪問できるようにしたいと述べていた。

考古学者らの間では、AIを遺跡の発見に利用する試みも始まっている。膨大な量のデータを精査し、将来を予測可能にするAIは、人々が歴史を探る上でも非常に役立つツールだ。

言い換えるならば、AIは人類の未来であると同時に、過去を知るためのツールなのだ。

※Forbes Japanの2020年12月30日の記事(https://forbesjapan.com/articles/detail/38460)より抜粋

Odeuropaの研究は、個人的に非常にエキサイティングです。

この研究成果は、世界中の博物館などで生かされていくと思いますし、Googleのプロジェクトと合体させることで、仮想空間の中で歴史的な都市を訪問し、その当時の香りを体験することも可能になると思います。

「AI×香り」の領域は、ヨーロッパが最も進んでいると感じますが、香水の歴史が深いハンガリーやフランスなど存在するヨーロッパが積み上げてきた”香りに関する人との関わりの歴史、及び、研究成果”は、他の地域の人々と比較して比べ物にならない知のボリュームだと思うので、Odeuropaの3年後の成果が楽しみでしょうがないです。

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