「未病を防ぐ」の”未病”は何? 東洋医学医師の解説が面白いです。

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毎日ハーブティーを飲んだり、料理に上手にハーブを取り入れる目的は、ひとによって様々だと思うのですが、「病気を予防する」という観点で取り入れている人は多いと思います。

私自身は、メディカルハーブからハーブの世界に入ったひとりなので、「効能」に関しては注目ポイントであり、自分だけではなく、家族にも取り入れて検証を継続しています。

「健康寿命を延ばす」というのは社会的なテーマとなっていますが、私自身も人生の最後まで、心・精神・身体を一体で動かすことができる状態を維持したいという気持ちが強いので、ハーブ・アロマの世界への興味が尽きないのかもしれません。

「健康寿命」に関する話題を聞いている時に、「未病を防ぐ」という言葉を聞いたことのあるひとは多いのではないでしょうか。

「病気になる前に然るべき処置をして、病気を防ぎましょう」というくらいの内容としか思っていなかったのですが、心のどこかで「未病」(みびょう)という言葉がず~っとひっかかっていました。

しかしながら、北里大学東洋医学総合研究所名誉所長が、「未病」の意味を解説している記事があり、面白かったのでご紹介したいと思います。

2千年以上前からあった「上工は未病を治す」 現代の予防医学に通じる漢方

最近よく耳にする「未病」は、寝たきりにならずに元気に過ごせる「健康寿命」を延ばすための重要なキーワードです。知っているようで知らない「未病」について、週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』では、北里大学東洋医学総合研究所名誉所長の花輪壽彦医師に解説してもらいました。

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 病気ではないけれど、どことなく具合が悪い──こうした不定愁訴は現代人の多くが抱えています。しかし、西洋医学においては、検査などで数値にあきらかな異常が見られないかぎり、治療の対象にはなりません。西洋医学では、まず検査・診断により病気を確定し、そこから治療が始まるためです。

 これに対し漢方では、健康と病気をはっきりと区別して考えないため、西洋医学的には治療の対象とならないグレーゾーンの状態=「未病」も治療します。漢方における病気のプロセスとは、病気を引き起こす因子=「邪気(じゃき)」がからだの表面から入って、からだの浅い部分にしばらくとどまり、病気を防ぐ因子=「正気(せいき)」と戦います。

 正気が弱いと、健康な状態から徐々にからだの気血水のめぐりに不調をきたし始めます。最初の兆候として、からだの表面で軽い症状(さむけ、だるさ、関節痛など)が見られるようになります。邪気は少しずつからだの内側へと侵入し、からだが不調にあらがいきれなくなると五臓六腑にも変調が見られるようになり、病気を発症すると考えます。つまり未病とは、邪気が五臓六腑に入り込む前の段階です。この段階で適切に対処することができれば、病気に進行することなく、再び健康を取り戻せると考えます。

 漢方治療が未病の段階、つまり西洋医学的検査で異常がないか、異常があっても病名がつかない段階から対応でき、「大病にならないうちに対処できる」という意味では、現在の「予防医学」にも通じるものです。ただし漢方では、この「未病の治療」にこそ積極的な主眼が置かれているのです。

「未病」という言葉は2千年以上前、漢の時代の中国で書かれた漢方の古典『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』『同霊枢(れいすう)』や『金匱要略き(きんようりゃく)』にすでに記されています。これらの古典には「上工は未病を治す」(訳:優秀な医者は患者の体質を考慮しながら次に起こる病態を予測し、早めに処置することで病気の発生を未然に防ぐ)という一文が記され、漢方では古くから未病の治療に大きな比重が置かれていたことがわかります。

 また、漢方では、小児の「虚弱体質」や高齢者における「フレイル」なども未病としてとらえます。フレイルとは「加齢により心身が老い衰えた状態」のこと。フレイルは、体重減少や疲れやすさ、歩行速度や握力・身体活動量の低下などから始まり、少しずつ進んでいきます。こうした高齢者におけるフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな病気や転倒によるケガなども引き起こす危険を含んでいます。

 早めに対策をとることができれば、元の健常な状態に戻る可能性もあるため、健康寿命を延ばすためにも、このフレイルにも漢方によって早めに対処することが大切になるでしょう。
(文・石川美香子)

≪取材協力≫
花輪壽彦医師
北里大学東洋医学総合研究所名誉所長
浜松医科大学卒。北里研究所東洋医学総合研究所入所後、所長補佐を経て、第4代所長に就任。北里大学大学院医療系研究科臨床医科学群東洋医学教授などを経て、現職。

※週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』より

Aera dot.の2020年5月1日の記事(https://dot.asahi.com/dot/2020042100005.html?page=1)より抜粋

漢方医学の位置づけについての理解がしやすく、「未病」ってそういう意味だったのか! と刺激を受ける人が多い記事なのではないかと思います。

西洋ハーブを主体とした「メディカルハーブ」も、この漢方医学と同様の位置付けで考えていいのではないかと思います。

食養生の部分においては、薬膳が注目されていますが、いずれにしても、病気に陥る前の対策をしっかりとすることが、健康体を維持することに繋がるという本質的な考え方が広まっているということだと思います。

今の30代、40代が、40年後に、70代、80代になった時、現在の70代、80代と比較して、健康体の人の割合が増えているのか? は、個人的にとても気になる部分です。

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