なぜ「カテキン」には抗菌作用があると一般的に言われているのか?

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日本人が日々飲む”緑茶には、カテキンが含まれていて、カテキンには抗菌作用がある”、という情報は多くの人が聞いたことがあると思います。

私も割と昔からその情報は聞いていましたが、漠然とした情報として認識しているだけで、カテキンとは何者?から始まり、カテキンは本当に抗菌作用があるのか?について自分で掘り下げて調べたことがありません。

コロナ禍において、抗菌・殺菌という言葉を聞く頻度が1年以上前と比べ格段に増えた昨今において、カテキンに関する正しい知識を身につけないと!と思っていたところ、有益な記事を見つけたのでご紹介します。

緑茶、紅茶…どれがいいの?お茶の抗菌・殺菌作用を栄養士が解説

お茶は健康や美容に良いと言われ、最近ではウイルスに対する抗菌や殺菌作用も期待されています。

けれどお茶といっても種類は豊富…。結局のところどれを飲めば良いのか、管理栄養士の三城 円さんに伺いました。


【INDEX】


そもそも、お茶に抗菌作用はあるの?

よく耳にする渋みや苦味成分である「カテキン」は、緑茶、紅茶に含まれるポリフェノールの一種。このカテキンに抗菌作用、食中毒予防効果があるとされ、コロナ禍でも注目を集めています。

まだ「予防に効果がある」とまでは断言できない段階ですが、各飲料メーカーの研究によって、作用が認められ始めています。

そもそもウイルスとは、たんぱく質の外殻と遺伝子からなる粒子で、ウイルスが単独で増殖することはできません。ウイルスは自身の突起(スパイク)を使って、私たちの特定の細胞にくっつき、細胞の中で増殖する性質があります。

「カテキン」は、そのウイルスの突起に付着し、ウイルスと細胞がくっつきにくくすることから、インフルエンザなどのウイルスに感染しにくくなるのではないかと考えられています。また、インフルエンザなどのウイルス以外にも、食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌、ピロリ菌の増殖を抑える働きがあると言われています。

「カテキン」の中でもこの効果が高いのは、「エピガロカテキンガレート(EGCG)」。抗菌作用が一番高く、また抗酸化作用も強いので、健康や美肌にも◎。煎茶(緑茶)に多く含まれています。

うがいに使うのは効果的?上手な取り入れ方は?

お茶によるうがいの抗菌・殺菌効果も、報告はまだまちまちです…。けれど作用を狙ってうがいをする場合は、お茶はペットボトルなどの出来合いではなく、カテキンの含有量が多い“淹れたお茶”で1煎目、2煎目を使うのがベターです。

このうがい関連の話でいうと、お茶はうがいではなく飲んだ方が、殺菌作用が高いという話もあります。これは、うがいだけではお茶は喉の奥までは到達せず、飲むことで喉のウイルスを胃まで流し、胃酸で死滅させることができるという諸説です。

お茶のうがいに関してはまだ解明途中かと思いますので、私見としては、お茶うがいに加え、殺菌作用がある唾液を増やすことも試してほしいですね。唾液の分泌を多くするためには、咀嚼が大事。食事は飲むものより噛むものを意識して、咀嚼回数を増やしてください。

抗菌・殺菌作用を考えると、熱いものと冷えたもの、どっちが良い?

お茶は、水でゆっくり出すと旨味成分が強くなり、お湯で出すと苦味や渋み成分の「カテキン」が多く抽出されます。なので、冷たいものより温かいものの方が良いでしょう。

また、「カテキン」はお湯の温度が高いほど抽出量も増えるので、美味しいお茶の淹れ方とは異なりますが、抗菌・殺菌メインで考えるなら、沸騰したお湯で淹れたものが良いですね。

1日に飲むべき目安量は?

特に正しい飲み方はありませんが、お茶はカフェインを含んだものも多いため、貧血気味の方や、寝る前のタイミングで飲むのは避けたいですね。水なども含めて、1日に飲む量は少な過ぎず多過ぎず、1.2L前後とお伝えしています。

よく、「毎日水は2L摂りましょう」と言われていますが、これは水ではなく水分量で考えるべきです。食事を3食きちんとご飯+一汁一菜で食べている方なら、毎食300mlは水分が摂れているはず。つまり、食事だけで900mlは水分が摂れている計算になります。

なので、お水はプラス1Lでいいんです。飲み物を多く摂り過ぎると、消化が遅くなったり、胃もたれ、むくみの原因になることもあるので注意しましょう。乾燥が気になるときは少しプラスして、1.5Lくらいまでがおすすめです。

健康のために取り入れたい、おすすめのお茶7選

手軽に入手できること、また、ウイルスに勝つにはリラックスすることも大切なので、この2点を重視して、おすすめのお茶をセレクトしました。

煎茶

緑茶の一種である煎茶は、「カテキン」の含有量が高いため、抗菌・殺菌を考えると一番のおすすめです。ペットボトルのお茶飲料も最近カテキン量を増やしていますので、チェックして買うのも◎。

麦茶

手軽に入手可能な麦茶はノンカフェインなので、年齢や時間帯を気にせず飲めるのが魅力です。緑茶よりも穏やかですが、抗酸化作用も期待できます。

紅茶

さまざまな種類、フレーバーがあるのでお好みのものを見つけられます。種類にもよりますが、紅茶に含まれるポリフェノールは脂肪分解を抑制し、脂肪が体内に吸収されるのを抑える作用があると言われています。けれど、カフェインを含みますので飲むタイミングには気をつけて。

ルイボスティー

ポリフェノールのひとつで、ビタミンCの働きを助ける「ケルセチン」が含まれています。「ケルセチン」は抗酸化物質なので健康にも美容にも◎。ノンカフェインというのも嬉しいポイントです。

そば茶

ポリフェノールの一種である「ルチン」が豊富で、動脈硬化などの予防効果があるとされています。とくに韃靼(ダッタン)そば茶はルチンが多めです。そばアレルギーの方は避けてください。

ローズヒップやカモミールなどのハーブティー

厳密に言うと茶葉ではありませんが、抽出物としておすすめ。何よりもリラックス効果が高いことが選んだ理由です。リラックスすると唾液の分泌量も増えますし、副交感神経が優位になり、質の良い睡眠へと導いてくれるので、結果、健康にも美容にも良いですね。

黒豆茶

黒豆の色素成分「アントシアニン」が豊富で、抗酸化作用が期待できる大豆イソフラボンも豊富です。大豆に含まれるビタミンB群も摂取しやすいので、疲労回復にも◎。また、こちらもノンカフェインです。

まとめ

研究が進んで様々な効果・効能が謳われるようになりましたが、基本的にお茶だけでウイルスに勝てるというものではありません。

お茶の力を借りながら、規則正しい生活やバランスの取れた食事で免疫力を上げ、ウイルスに負けない体を作っていきましょう!

今回お話を伺ったのは…

パーソナル管理栄養士
三城 円さん
(Madoka Sanjo)

一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会代表理事、食の相談窓口San-CuBic代表、一般社団法人日本ジュニア・アスリートサポート協会顧問。自身のダイエット、摂食障害の経験から食に苦しむ人を救うべく、「パーソナル管理栄養士」として独立。ダイエット指導や摂食障害のケア、アスリートのパーソナル食事コンサルティングを行う。分かりやすく、腑に落ちる解説で女性誌やマスコミから注目を集めている。

【参考文献】

『食べ物と健康,食品と衛生 食品加工・保蔵学』海老原 清ほか(講談社/2017)

※Cosmopolitanの2021年2月26日の記事(https://www.cosmopolitan.com/jp/trends/lifestyle/a35607509/antibacterial-activity-of-tea-types/)より抜粋

カテキンの抗菌作用が一般的に言われている理由は、ウィルスの突起部分に付着する性質があるからというのを初めて知りました。

私が気になったのは、『カテキンの中でもこの効果が高いのは、エピガロカテキンガレート(EGCG)』という記述です。日本カテキン学会のホームページの「カテキンとは?」というページの中に、EGCG等含むカテキンの解説があるので以下に取り上げます。

カテキンとは?

カテキンは、主にお茶に含まれるポリフェノールの一種で、お茶に特有の苦渋味成分のもととなる物質です。ポリフェノールはほとんどの植物に含まれる色素や苦渋味の成分で、ゴマのセサミン、タマネギのケルセチン、ウコンのクルクミン、ブルーベリーのアントシアニンなども同じ仲間です。抗酸化作用を持っている赤ワインやココアなどと同様、その機能性や健康効果が期待されています。

カテキンの種類

カテキンは、ポリフェノールの中のフラボノイド、その中でもフラバノールという種類に入ります。緑茶中には、(-)エピカテキン、(-)エピガロカテキン、(-)エピカテキンガレート、(-)エピガロカテキンガレートなどの約4種類のカテキンが含まれています。その中でも(-)エピガロカテキンガレートが一番多く、含まれるカテキンの50~60%を占めています。(-)エピガロカテキンガレートは、カテキンの中でも抗酸化作用をはじめとし、広範な生理活性を持っています。
(-)エピガロカテキン、(-)エピカテキンガレート、(-)エピガロカテキンガレートの3種類は、お茶に特徴的なカテキンですが、(-)エピカテキンは、お茶以外にリンゴ、ブラックベリー、ソラマメ、サクランボ、ブドウ、ナシ、キイチゴ、チョコレートなどのポリフェノールにも含まれています。また、ソラマメ、ブドウ、アンズ、イチゴなどのポリフェノールには(+)カテキンという種類のカテキンが含まれています。

カテキン発見のあゆみ

カテキンの語源は、インドなどに生えているアカシヤ・カチュー(マメ科アカシア属)の樹木からとれた暗褐色の“catechu”(カテキュー)に由来しています。スイスの化学者F.F.Rungeが1821年、catechuから無色の結晶を分離し、その後1832年にNees von Esenbeckが、Rungeが分離した物質にたいして“catechin”(カテキン)と命名しました。このアカシア・カテチューに含まれるカテキンは20世紀に入ってからドイツのK. Freudenbergらによりエピカテキンであることが確認されました。

20世紀に入ると、茶からカテキンが純粋に分離され化学構造の研究が本格的に進められました。まず、1927年、山本頼三が緑茶よりカテキン類似の物質を分離し、続いて1929年に辻村みちよが緑茶抽出物より初めてエピカテキン(EC)を結晶状に単離しました。その後1933年、大島康義と合馬輝夫は台湾産茶葉から、1934年に辻村により日本緑茶からエピガロカテキン(EGC)の結晶を分離し、同時に辻村は緑茶からエピガロカテキン(EGC)を分離しました。これにエピガロカテキンガレート(EGCg)を含めた4種がお茶の主要なカテキンであり、4種類中3種類が日本の化学者により発見されたことになります。

1985年には、生物学的実験に用いるのに十分な量のカテキンを抽出・精製される方法が開発されました。また、1988年に茶の抗菌作用が再発見されました。この抗菌作用が殺菌によることや、茶には細菌性タンパク毒素に対する抗毒素作用、インフルエンザウィルスなどに対する抗ウィルス作用があることも新たに明らかにされ、精製法を活用し、作用の活性成分を追及して研究した結果、カテキンの特異的な生理活性が見いだされました。

その他にも特にこの十数年の研究によって様々な機能性が明らかとなり、カテキンの生理活性効果が再認識され始めました。「カテキン」は、単一の化学物質名だけを表すのではなく、お茶の苦渋味成分の一つで人の健康にとって効用のある活性物質を総称するもの、としての認識も広まってきており、カテキンの多機能性物質としてのますます幅広い健康効果が期待されています。

出典:茶の機能-生体機能の新たな可能性 ;村松敬一郎(代表) 編
(株式会社 学会出版センター)
※日本カテキン学会のHPの「カテキンとは?」のページ(http://www.catechin-society.com/iroha.html)より抜粋
緑茶におけるエピガロカテキンガレート(EGCG)の位置づけがわかりました。
 
今回の記事を通じて感じたことは、メディカルハーブの効果・効能についても、「なぜその効果があると言われているのか?」について広範に理解しておくことが大切だと感じました。
 
例えば、「1,8-シネオールが含まれているから殺菌作用がある」なのではなく、「1,8-シネオールにはウィルスに対して具体的にこのような特性があるから、殺菌作用があると考えられている」という俯瞰したスタンスでいることが、結果として正しい知識を蓄積していくことができると思いました。
 
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