鹿児島大学が行なった(ラベンダー等に含まれる)リナロールの不安軽減効果の実験について

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ちょうど昨夜、部屋でラベンダー精油をアロマポッドに入れて香りを楽しんでいたときに、ラベンダーのリナロール成分に関する実験のことについて書かれた記事を見ました。以下です。

ラベンダーの香り、なぜストレス緩和? 鹿児島大が解明

ラベンダーの香りの主成分であるリナロールは、嗅覚(きゅうかく)を刺激して脳の神経回路を活性化し、リラックス効果をもたらすことがわかったと、鹿児島大の柏谷英樹講師らの研究チームが発表した。この香りは、既存の抗不安薬のような運動障害を起こさないため、より安全な薬の開発につながるという。

リナロールはこれまでの研究で、ストレスや不安を緩和するとされてきたが、肺の粘膜から血液に取り込まれるためなのか、嗅覚を介して作用するのかなど、詳しい仕組みはわかっていなかった。

研究チームは、リナロールを嗅がせたマウスと嗅がせていないマウスを、箱に入れて観察した。箱の中は明るい区画と暗い区画に仕切られ、双方を行き来できる。夜行性のマウスは暗いところが落ち着くため、明るいところを避ける傾向がある。リナロールを嗅がせたマウスは嗅がせていないマウスに比べて、明るい区画に滞在する時間が約2倍長かった。リナロールの匂いが不安を緩和し、滞在時間が長くなったという。
※YahooJapanニュース(国内)の2018年11月5日の記事より抜粋

 

ハーブ・アロマの専門家にとっては、「ラベンダーに含まれるリナロールがリラックス効果をもたらす」というのは、常識レベルのような認知のされ方だと思います。

ただ、同時に植物療法の考え方として、「人の体質によって効く、効かないがある」という前提があるので、リナロールの香りを嗅いで神経が緩和されてバランスが整うように感じる人とそうでない人の両方が存在すると思っておくことは大事だと思います。

上記の実験では、「マウスが夜行性なのは、明るいところに行くのは不安な心があるから」という前提で成り立っていると思うのですが、リナロールの香りを嗅がせたマウスと嗅がせていないマウスの間で、行動において明確な差が出ているということは興味深いです。

この実験に関する他の媒体では、実験内容が少し違うというか、より詳細に書かれていましたので、以下に貼ります。

リナロールを嗅いだマウスの不安が軽減

研究論文の著者である柏谷英樹氏は、リナロールを嗅いだマウスがゆったりくつろいでいるところを見て、実際にそのような効果があるのか確かめたくなったという。

そこで、マウスを迷路に入れてその様子を観察するという実験が行われた。これはマウスに不安を与えるために行われる従来からある手法だ。

その結果、迷路に入る前に霧状にしたリナロールを嗅いだマウスは、そうでないものよりも旺盛に周囲の探索を行うことが分かった。

このような迷路内では、不安を感じているマウスほど、探索を行わなくなる。つまりリナロールのアロマテラピーを受けたマウスは、それだけ不安を感じていないということだ。

このようなマウスが見せる好奇心の強さは、ジアゼパムやアルプラゾラムといった抗不安剤を投与した場合にも似ていた。

嗅覚とリナロールの関連性

比較のために、マウスの嗅覚を破壊してからリナロールを嗅がせて迷路に入れるという実験も行われた。

しかし、このケースでは、リナロールのリラックス効果は確認されなかった。したがって、この効果は、リナロールが肺に吸い込まれ、そこから血流に吸収されることで生じるのではなく、嗅覚と関係していると考えられる。

運動障害が見られない安全な抗不安薬として期待

また、現在抗不安薬として臨床で用いられるベンゾジアゼピン系薬剤が作用する神経経路をリナロール香気が活性化することで抗不安効果が現れることが明らかとなった。

だが、リナロール香気刺激は、ベンゾジアゼピン系薬剤でしばしば問題となる運動障害が見られないため、より安全な抗不安薬開発につながることが期待される。

ラベンダーではなくあくまでもリナロールの効果

ただし本研究は、あくまでリナロール香気の効果を確かめたもので、天然の植物であるラベンダー香気自体を調べたものではないことに注意が必要だ。

リナロールはラベンダーの香りの中で大きな役割を果たしているが、ローズウッド、ベルガモット、ミント、シナモンなど、他にも多くの植物に含まれている。また人工的に作り出すこともできる。

柏谷氏によれば、臭気化合物の配合を変えると「ニオイの感じ方」が変わるので、リラックス効果が現れない可能性もあるそうだ。

柏谷氏は今後、リナロールの人間に対する影響を調べる予定だという。

だが仮にリナロールに抗不安効果があったとしても、すべての人に効果があるわけではない。ニオイに対する反応は個人差があり人それぞれだからだ。

医者がアロマテラピーを勧めない理由もこれなのだが、柏谷氏は同じ臭いに対する人それぞれの反応を確かめてみたいと考えている。

カラパイア_不思議と謎の大冒険の2018年11月2日の記事より一部抜粋

 

Yahooニュースの内容だけだと、突っ込みどころ満載という感じでしたが、こちらの説明を見ると研究結果の結論に対する納得感がかなり出ました。

また、今後の抗不安薬の開発に向けて、運動障害の出ないリナロールの活用の可能性も見出されたということも書かれていて、この実験の意義が深いこともわかります。

ところで、”鹿児島大学”と言えば、過去記事【鹿児島県産のシナモンティーをはじめて試飲。一般的なシナモンティーとは違う特徴がありました。】の中でも出てきましたが、「香りの研究」について盛んなのかもしれません。

上記の実験説明のところに出てきた柏谷英樹氏は、鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 統合分子生理学の研究室にいらっしゃることがわかりました。

尚、今回ご紹介した研究の論文の原文は以下になります。

柏谷さんの香りに関する研究は今後も定期的に追っていきたいと思います。

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